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My Story

My Story

前回から1年余りを経過して    
廣瀬満重 (東京在住・1961年生まれ)

2016年08月06日更新

リニューアルなった会のHPのMy Story・8月号に、去年の5月にNews Letterのために綴った文章を掲載して頂いた。
News Letterに綴ってから1年数ヶ月が経ち、その続編を、というご依頼を頂き、再びこうしてペンを執っている。

●治療薬そのものについては昨年5月現在と変わっていない。今もカドサイラ(T-DM1)とランマークを継続しているが、3週に一度のカドサイラは1年半の間に24回、6週に1度のランマークは2年間で18回を数えることとなった。

とはいえ、「何の問題もなく治療が奏功中で、これからも続けられるのですね?」と問われれば、否である。副作用もそれなりにあり、昨年11月末の造影CT画像により、そろそろ治療薬変更も考えて、と言われているが、ここまで変更なしで何とか凌いできた。それでも、両肺に複数ある腫瘍は相変わらずゆっくりしたペースではあるが、大きくなり続けている。
そして、7月に撮影した結果、「腫瘍が胸膜を押しているので、これを破ってがん細胞が胸膜にばら撒かれて胸水が溜まるようになると苦しい」と言われ、いよいよ秋から薬剤変更はやむを得ないか、とも感じている。

●そんな中、増悪の兆しが出てから8ヶ月以上に渡り、なぜここまで(騙しだましであれ)粘れたのだろうかと考えてみた。
今年になってヒーリングの学びを始めた。さらに、再発治療前から続けていたホットヨガに加え、2年半前にリトリートで出会ったインストラクターが行う瞑想ヨーガのクラスに通い始めた。

●我ながら驚くべきは、健康な方たちとともに指導者養成コースに通い、前半3ヶ月間100時間のカリキュラムを無事修了出来たことだ。このまま10月スタートの後期にも参加して、全米ヨガアライアンス認定200の資格を取れたらと思っている。
もちろん資格を得たからといって、今更今の職を辞してヨーガインストラクターになろうなどとは思っていない。

けれど、呼吸を整え、瞑想することで身体に好ましい変化が出ているとも感じている。以前、会長さんのエッセイにもあったように、瞑想とはマインドフルネスである。どこにいても、深呼吸をし、しばし心を落ち着けて瞑想することで、とても楽になる。

●たとえば、何故自分は再発したのだろう、なぜ治療が奏功しないのだろう、などという考えても仕方ない過去のことをくよくよ悩むことを止める。このキツい治療はいつまで続くのだろう、治療薬はいつ尽きるのだろう、自分はいつ逝くのだろう、などという考えても判らない未来のことをあれこれ不安がることも止める。
それだけでとても呼吸が楽になった。病を得、さらには再発し、エンドレスの治療を余儀なくされているだけで充分傷ついてストレスに晒されている身体と心を、これ以上苛めない。そう決めただけで肩の荷が下りたように思う。

●7月に父を亡くした。逆縁になるかもしれないと案じていたので、これには心底ほっとした。3年前、義母が他界し、さらにここ数年、相次いで患者仲間が旅立ち、その葬儀に出るたびに「次は私かもしれない」という思いに苛まれ、引きずられてきた。
けれど、今回の父の葬儀では、明らかにそう思っていない違う自分がいた。

世の中は万事上手くいくように出来ている。そう信じることで、治療に対しても日々の生活についても、余計な力を抜いて自然にやり過ごせるようになっていると感じている。

とはいえ、まだ修行中の身、今の治療から次の治療へと変更することで、心も身体もまた少し波立つかもしれない。けれど、世界の全てのことは間違いなく上手くいくように出来ている。それを思えば、多分、不思議なくらい心穏やかにいられるに違いない。

今は、同じ苦しみを背負っている私達皆が、少しでも心穏やかに治療を続けられますように、と願って止まない。
                                                          (2016.8.6 広島71年目の日、リオオリンピック開会の日に)