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巻頭記事

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第3信  London  《2017年5月28日更新》

2017年05月29日 更新

「Sir Parkinsonの告白」
テームズ川よりセントポール寺院をのぞむ (撮影:Toshiya Shikine  2017年5月30日)テームズ川よりセントポール寺院をのぞむ (撮影:Toshiya Shikine 2017年5月30日)
昨日は一人でカムデンという旅行者に人気の街へ行ってきた。歩いて行ける距離。食べ物屋台(国別対抗)、ヴィンテージショップなどが、わんさかあって、ロンドンの原宿か、しかし、店も人も数が比較にならないほど多くて、恐ろしいくらい。週末は特に混むので、息子に叱られた。今週末は月曜がBank Holiday という祝日で天気もバカよいので、どこもが混んでいる。英国航空がITシステムトラブルで27日終日全便ストップして大混雑になった。これは日本にも伝わっていたでしょう。何もわからない人たちは辛抱強く並んで、廊下の果てまで長蛇の列だった。ロンドン第2の空港、Gatwickでは格安航空Easy Jetが全客の荷物を積み残したまま飛んでしまって、空港の床にまたわんさかスーツケースが溜まっている映像も映った。3連休で人が多く移動しているところに、こうだから気の毒な話。
帰りに大きなスーパーに寄って、少し買い物。新聞買ってカフェテリアでコーヒーを飲んだ。新聞についてきた付録マガジンの表紙はSir Michael Parkinson という知る人ぞ知るこの国の名司会者(82歳)のいい顔だった。中をちょいと見たら、すぐに「4年前に前立腺がんを患ったとき、どれだけ怖かったか」の文章から始まっていたので、真面目に読むことにした。「私は怖くない、なんて言う人がいるが、あれは嘘だ。あの恐怖の言葉、あれは死刑宣告、ではなくても、そう連想してしまう」「それまでは自分はスーパーマンで永遠に生きると信じていた。それが、突然、だらしなくなってた(この部分意訳)」
「がんの衝撃に、自分のすべてのエネルギーを、すべての生きる力を奪われてしまった。でも考えてみると、私はがんになったことを残念とは思っていない。もちろん、がんなんかになりたくなかった、が、治癒できるタイプだったのでラッキーと思っている」「がんは消えない。再発もありうる。でも、これは一つの人生経験だった。私は宗教は信じない、現実主義者だ。体験は人生を探求するチャンスと死ぬかもという可能性を与えてくれた。これは誰にとっても人間として成長する一部分とも言えるのではないか」
―――ここからは私の感想
こんな著名人でも、男性に多い前立腺がんくらい(失礼)で、こんな精神状態になったことを正直に話してくれて、とてもうれしい。こういう人を私は本当に偉い人だと思う。自分の弱さをそのまま語る強さを尊敬する。著名人は往々にして、強がって、なんでもない、みたいなことを涼しげに言って、悩んだり泣いたりしているがん患者を理解しようとしない。新聞買うとき迷ったのだが、この記事があるのを選んだのは偶然だが、必然だったか。帰国が2日後に迫ってきた。これが最後の特派員便りになるか?早く帰って、愛猫ジローに会いたい。今はそれだけ。  ワット  akebonok@d9.dion.ne.jp