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巻頭記事

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追悼 小林麻央さん 《2017年7月2日更新》

2017年07月02日 更新

旧齋藤家別邸(新潟市内)(撮影:斉藤純代・事務局スタッフ 2017年6月19日)旧齋藤家別邸(新潟市内)(撮影:斉藤純代・事務局スタッフ 2017年6月19日)麻央さん、遂に命尽きた。夫君海老蔵さんの涙と2人の年端も行かないお子さんがそばを離れないという話で、日本中が泣いた。34歳という若さ、なんと、もったいないことをしたのだろう。ブログにも「生きたい」の言葉が何度も書かれていた。憐れ。
しかし、釈然としない。私たちは、発見後1年8ヶ月経ってからの闘病の詳細より、最初に何があったのか、何をしていたのか、その詳細を知りたい。そうでないと、乳がん=悲劇という図式が作り上げられてしまう。乳がんは悲劇ではない。人間の叡智で、そうならないように努力している。
ブログで赤裸々に進行具合や家族への思いを語ってくれて、それが日本のがん患者に勇気を与えてくれた、とマスコミはこぞって強調した。果たして、みながみな、そうだったのだろうか?「あんな悲壮なことを書かないでほしい、読まないようにしていた、亡くなってからのテレビも見ないようにした」という人がいた。乳がんの手術を控えていて、果たして早期なのか、まだ検査結果が出てなくて、不安とおそれの中にいる人だった。
マスコミは、このように感じていた人がいることを想像もしない、いては困るのだ。死を美化するためには故人を讃えなければならない。だから、私も、麻央さんの死をこんな風に書いて、バッシングを受けるのが怖くて時期をうかがっていた。そしたら、あの週刊誌がドッキリタイトル、「海老蔵さんの三度の過ち」と暴露した。
彼の過ちを、もし過ちであったとしても、今、責めるのは気の毒というもの。とは言え、ここで百歩譲っても、最初にがんとわかったときに現代医学を信じ、主治医を信じられなかったのか、という悔いを抑えきれない。第一、最初から最後まで、信じられる主治医がいたのかさえわからない。「友情ある説得」という映画のタイトルがあったが、タイトル通り、愛を持って説得してくれる人はいなかったのか、それが悲しい(あけぼの会に相談してほしかった・・・・ですよね)
今ころになってだが、ブログを始めるまでのあの人の心の重さを想像すると、そっちの方がかわいそうで胸が痛む。夜も昼も、どれだけの不安と迷いの中にいただろうか。今はただ「安らかにお休みください」というよりほかないのだが、麻央さんの死がもし悲劇なら、悲劇はここでおしまいにしよう。真の意味の「勇気」を持って。 
ワット  akebonok@d9.dion.ne.jp
*新潟三大財閥の一つに数えられる、豪商・齋藤喜 十郎家の別荘として、大正時代に建設されたもの。庭園と建物は2012年から一般公開されている。