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巻頭記事

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「互いが思いやる気持ち」さえあれば・・・
            星野希代絵(あけぼの会副会長・あけぼの静岡代表)《2020年9月9日更新》

2020年09月09日 更新

台風一過の青空に映える百日紅のピンク!<br>撮影:星野希代絵(静岡)台風一過の青空に映える百日紅のピンク!
撮影:星野希代絵(静岡)
コロナ禍の中、病院へ行かなくなっている人が多く、がん検診、特定健診の受診率が全国的に減少しているそうです。去る8/26の「朝日新聞」‘声‘ 欄に「乳がん検診を受けた時の不快な思いや視触診のあり方」をまとめてありました。

6年前に市の検診を受けた人ですが、6、7名まとめて待合室で一斉に服を脱いでしばらく上半身裸のままだったそうです。こんなことがつい6年前まで行われていたなんて恥ずかしい。私が知る限りでは、視触診もマンモグラフィー技師も女性で、医師も女性ですと、わざわざ明記し配慮して検診を促していたはずなのに、です。

この‘声‘ 欄では、特に乳がん検診の「触診」に疑問を感じている人の意見があり、不適切な触診とか、流れ作業のように感じて、嫌な気持ちになった…とか。乳房は女性にとって微妙な部位です。それで、触診に嫌悪感や不快感を持つ人もいるようですが、それは健康体だからこそ言えるのであって、「がん」か「がん」でないかを調べてもらうときは必死で、嫌悪なんかしている場合じゃないと思います。

9/2の‘声‘ 欄には「どう思いますか・健診に言いたい」で、8/26の「乳がん検診・触る必要がある?」へ反響があり、検診や健診への意見が載りました。問診のやり方が分かりにくい、婦人科での配慮のない検診、検査結果への丁寧な説明がないなど。総じて医療者、医療スタッフへの病気だけ見るのではなく「人間を見る教育」が大切という注文だったと思います。

これは「互いが思いやる」気持ちがあれば解決する問題だと思います。ワット(前)会長がいつも言っていた「賢い患者になりなさい」、まさにこれなんです。コロナ禍、2020年、医療者に私達は心から感謝の気持ちとエールを送っています。乳がんでも同じこと、医療者のご苦労をねぎらい、感謝を忘れないでいたいと思います。

最後に、東北医科薬科大学の鈴木昭彦教授は2016年度以降、視触診は推奨されていません。医師の経験値に左右され、精度管理が難しいからです。代わりに「ブレスト・アウェアネス」、検診に頼るのではなく、日頃から自分の乳房(ブレスト)に意識を向けよう(アウェアネス)という、英国発の運動です。

具体的には①仰向けになって万歳をする。②左の手のひらで右乳房を右から左へ肋骨に沿ってぎゅーっと押さえつけながらずらしていく。膨らんだ風船(皮下脂肪)の奥にあるゴム(乳腺)を押すイメージで。左手の感覚を覚えて、次にチェックした時、何か変化に気づいたらすぐ病院へ。しこりを自分で見つける必要はない。大切なことは「いつもと何かが違う」という感覚です。日頃の積み重ねで小さな変化に気づくことが、乳がんの早期発見に向けた大きな一歩になる、というのがこの運動のメッセージです。 星野希代絵 kyeko@seikox.co.jp