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巻頭記事

巻頭記事

コロナ禍でのがん患者の不安
           菊井津多子(あけぼの会副会長・あけぼの滋賀代表) 《2020年12月18日更新》

2020年12月17日 更新

雪の日のバラ 2020/12/17<br>(撮影:菊井津多子)雪に咲くーーー強くたくましく! 
(撮影:菊井津多子 2020/12/17)
 【あけぼの会】は、今年、アンケートを実施しました。テーマは「コロナ禍で、あなたは治療に影響を受けていますか?」。寄せられた回答(未だ集計途中ですが)の中には、「年1回のマンモがCT検査に代わった(マンモは接触度が高く医療者の負担が大きいとの説明)」「子宮内膜ポリープを切除検査する予定だったが、診察を受けている病院が不要不急の手術を中止した為に他の病院へ紹介された」などがありました。

 12月に入って、看護師が不足しているという理由で、大阪のAYA(思春期と若年成人)世代のがん専用病棟を一時的に閉鎖するというニュースが流れました。次の日の朝一番に、「とっても不安」と会員のTさんから電話がきました。実はその二日前に「自分の最期は緩和病棟で迎えたい」と話していた矢先でした。

 Tさんは12年前、初診でステージ4と診断され、以来、遠隔転移、骨転移や顎骨壊死と向き合い、他のがんも見つかり、ずっと治療を続けています。誰もが認めるすごい頑張り屋さん!彼女のモットーは『子供たちの前では涙を見せない』ですが、滋賀の再発グループ「ひまわり」の仲間とは、悪い検査結果や副作用の辛さに時折涙します。それでもいつも気持ちを持ち上げ明るく前を向く彼女の姿に、私たちは勇気と希望を彼女からもらっています。

 Tさんにとって主治医はじめ、お世話になっている多くの医療者、病院の職員の方々の存在が大きな支えなっています。病院で「Tさん、元気?」と、声をかけてくれる、ポンと肩をたたいてくれる何気ない所作に、”いつもあなたのことを見ているよ“という優しさを感じ、また頑張ろうと気持ちを奮い立たせてくれ、心を穏やかにしてくれる・・・医療者の皆様の存在はとてもかけがえのないものです。 

 新型コロナは今、治療や病院のシステムだけでなく、がん患者が医療者に求めるそんな寄り添うという行為を遠ざけているかもしれません。感染予防のための面会禁止措置は、患者の意思を尊重し、穏やかな最期を迎えるためのホスピス緩和ケア病棟に大きな影を落としています。新型コロナの不安から、がん患者だけでなく、すべての人が解放される日を今は願うばかりです。  kikui@crux.ocn.ne.jp