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巻頭記事

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抗がん剤<アブラキサン>の供給がストップされます 
   深野百合子(あけぼの会会長)    《2021年9月7日更新》

2021年09月07日 更新

イチイの木<br> 赤い実は食べることもできるそうです!イチイの木
初秋に赤い実をつけ、
その実は食べることもできるそうです!
抗がん剤ノブパクリタキセル(アブラキサン)が、10月以降は供給が一時停止されます。10月中旬には在庫がなくなる予想で、現時点では供給再開の目途が立っていないそうです。この影響で、代替治療薬のパクリタキセル(タキソール)も出荷調整されるとのことです。
 先日(8/24)の内藤さんの巻頭言「ジェネリック薬品が品薄」←クリックで骨粗しょう症の薬が品薄とのことでしたが、今度は、抗がん剤が供給停止です。

これについて日本乳癌学会の会長は、「①現在、アブラキサン点滴静注による治療を継続中の患者さんを優先ください。②新規治療については代替治療等を優先ください。」(8/24)とのコメントを出しています。
 また、関連の6学会*からの合同声明文←クリック が出されました(8/26)。早期再開、代替治療の円滑な実施に向けて、厚生労働省へ要望書を提出するとのことです。
 *日本臨床腫瘍学会、日本癌治療学会、日本膵臓学会、日本胃癌学会、日本乳癌学会、日本肺癌学会

ご存じの方も多いと思いますが、タキソールは、庭木としても知られる「イチイ」から合成された植物成分由来の抗がん剤で、非常に水に溶けにくい物質なので、アルコールが添加されているそうです。1回の投与でアルコール量はビール500mlに相当するので、「本剤を投与する場合には問診により適切かどうか判断すること」と書かれています。
 アブラキサンは、このパクリタキセルを「アルブミン」というたんぱく質とくっつけることで、水に溶けやすくしたもので、アルコールは必要ありません。ちなみに費用は3割負担で1回当たり、アバスチンは7万円弱、タキソールはおよそ1.6万円で、ジェネリックもあります。

再発治療中のAさんから、「次の治療薬の一つにタキソール+アバスチンの提案を受けた。治療を受けながら働きたい、安価なもので長く続けたい、なるべく副作用の少ない治療を望んで選択した」という連絡が入ったばかりでした。
 また、Bさんは、「タキソール+ベバシズマブ(アバスチン)を1年続けている、疲労感、倦怠感が増し、脱毛、左足指一部の痺れがあるが、日常生活は問題なく過ごせている。抗がん剤の副作用より、腫瘍が小さくなり、腫瘍マーカーが安定していること、歩けることなど、メリットの方が上回っています」と言われています。
再発治療中で、アブラキサンやタキソールで効果がある患者にとっては、命綱とも言えます。学会でも「現在治療中の人を最優先に」とありますが、先が見えません。早期に安定供給されることを切に願います。  akebonokai.since1978@gmail.com