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Doctor of the Year

患者が選ぶ Doctor of the Year 2010

筑波大学附属病院 乳腺甲状腺内分泌外科講師
坂東 裕子 先生

プロフィール

1996年筑波大学医学専門学群卒業/2004年東京医科歯科大学大学院博士課程終了。
1996年都立駒込病院臨床研修医/998年専門臨床研修医/2001年都立駒込病院非常勤医師/2002年ドイツ生科学研究所(GBF)客員研究員/2004年都立駒込病院外科医員/2005年筑波大学大学院人間総合科学研究科臨床医学系乳腺甲状腺内分泌外科講師となる。

喜びの声

皆様こんにちは。坂東裕子(ばんどうひろこ)と申します。
このたびはDoctor of the Year 2010に選んでいただきまして、ありがとうございます。ワット会長にお話を伺った時には、ただもう、感激の一言でした。医師として、人間としてもまだまだ未熟な私が、あけぼの会の皆様に選んでいただいた理由はなんだったのでしょう? そう考えながら、自分と乳がんをふりかえってみました。

私の父は形成外科医であり、乳がん手術後の乳房再建を日本で行い始めたひとりでした。1970年代、私が生まれて間もなく、父はアメリカのテキサスに留学しました。そこで乳がんの術後再建手術が行われているところを目にして、ぜひ日本の患者さんにも広めたいと思ったそうです。当時日本では乳がんの手術というと、乳房切除、特に胸の筋肉まで合併切除するハルステッド手術が多く行われていました。乳がんをリンパ節や筋肉を含め手術で取りきることが、治療の第一であると、信じられておりましたし、再建を行うことによって、再発の発見が遅れるかもしれないなどと危惧されていました。そのような時代に、インプラントを使用したり、背中やおなかの筋肉・脂肪を移動しての再建手術の導入することは、特に外科医をはじめとした医療者に受け入れられるのに、なかなか大変だったようです。しかし患者さん達からの強い希望と、実際に手術を受けられた方からの感謝の言葉に支えられて、父は再建手術を続けてまいりました。

小さいころから家で父の手術のビデオを見たり、手術前後の写真整理を手伝ったりすることが、多々ありました。子供心に手術で乳房をなくされた方の写真を見たり、再建された写真を見てほっとしたりしていたのを覚えています。高校生の頃、再建手術をされた方に対する満足度や、日常生活の変化について父が行ったアンケート調査のデータ整理を手伝いました。乳がんになってからの様々な不安や恐怖、治療をしてもつらいこと、再建をしてよかったこと、まだ困っていること、患者さんの感謝の言葉などが、直筆で書かれたアンケート調査票からひしひしと伝わってきました。乳がんについて、いわゆる学問として“病気”から学び始めるのではなく、“乳がんの診断・治療を受けた方の人生”から病気について学ぶことができたためか、“乳がん”は私の中で特別な存在となりました。その後、導かれたように、自然と乳がんの診療に携わることになりました。そして、今も医師としての自分を育ててくれるのは、良き師と、たくさんの患者さんたちです。

乳がんにかかわる医療の進歩は診断、手術治療、薬物治療など多岐にわたって本当にめざましいものがあります。乳がんになられた方が、乳がんと闘ったり、うまい付き合い方を模索したりする時に、共に闘い、時に寄り添ったりしながら、皆様の人生をサポートできるよう心がけています。私のモットーは “明るく!勇気を持って!粘り強く!”です。治療中、あるいは治療後の皆様が、それぞれの日常でうれしいことや楽しかったことをお話しくださると、私もとてもうれしくなります。
今回、皆様から、そしてワット会長から、暖かい激励をいただいた気持ちでいっぱいです。この受賞を励みに、これからも皆様の笑顔が見られるよう頑張ってまいりたいと思います。ほんとうにありがとうございました。これからも、皆様の人生がいろどり豊かなものでありますように心からお祈り申し上げます。