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エッセイ

ワットさんの笑って長生き

「なかなか守れない、新年の誓い」

2013年02月24日
●今年の私の誓いは「来るものは拒まない」。つまり、何でも拒絶せず、ハイハイと受け止め、気楽に考えて、とにかく受諾する精神。頼まれごとはすんなり受ける。また、少々気にくわぬことでも、突っかからない。さらりと流して、自我をなだめて、大袈裟に騒ぎ立てない。日向ぼっこしているお年寄のように「何ごとも、なだらかに」だった。それが、新年早々、突っかかったり、拒絶したり、新年のあの誓いはどこへ行ったのだろう。

●1月末に静岡でのこと、勉強会のあとに夕食会で、駅近くの小さいホテルのレストランに移動した。食事が半分進んだころ、予期してなかったカラオケが始まった。食事は5時からだったので、6時を過ぎたころ、まだ宵の始まり。私は何がキライと言って、食事の最中にカラオケを聞かされるのが大嫌い、苦痛なのだ。それも歌いたがりの人だけが繰り返し飛び出して行って歌っている。歓談しながら食事を楽しみたいのに。最初からカラオケバーに行ったのならいいのだが、そうではなかった。

●6月に浜松で行われる日本乳癌学会の最終日に患者セミナーが組み込まれた。セミナーのオープニングに、亡くなった同士に捧げる1分間の黙とうをするらしい。その「黙とう!」の発声をしてほしいと頼まれた。光栄と思うべきだったかも知れないのに、即座に断った。本能的にイヤ、不快だった。例えば、あの富樫さんに黙とうを捧げると思えばいい、それだけなのに、拒絶してしまった。そのくせ、私なんか、もはや使い古した機械のようなもの、どこからもお呼びはかからなくなっているのだから、何であれ、頼まれればありがたいとして、受けるべきだったのに、という気もしないではない。

●頼まれて、ハイハイと受けている仕事もある。1月に静岡に行ったのもそう、明日は新潟まで行って、支部のランチ会に顔を出して、佐野先生にもお会いしてくる。3月17日は埼玉支部の講演会、31日は栃木支部の講演会、終了後、有志で温泉1泊がある。支部に頼まれたら断らない。会員はみな、私に会うととても喜んでくれる、そして、やさしくしてくれる。私はもう年なので、人にやさしくしてもらいたい、それだけなのだ。3月中に一度台湾へ行って来ようかと思案中。台中の乳がん患者会の同士が待っていてくれるのだ。

●月に一度の〈あけぼのハウス〉に集まる患者たちはみな満足してくれている。家庭的な温かみのある雰囲気が定着してきて、私が当初から願っていた〈心の家〉になってきている。来る人誰もが持てるものを出し合って分かち合って、持ち帰るのがいい。勿論、勉強会もあるので、専門的情報も得られる。乳がんという一つの要素で集まる、言ってみれば、赤の他人が、思い切り心を開いて話をし、共に学んで、安心する。がんは一人で抱えるには重すぎる荷、押しつぶされそうになるのが普通。だから、みなで支え合う。単純明快。

●電話で相談してくる人に、自分の主張だけして、文句悶々繰り返し述べる人がいる。〈あけぼのハウス〉にいらっしゃい、とお勧めするのだが、そんな人は「私は衆人と違うのよ」と決めていて、来る気はない。がんなんか経験したら、何より、おのれを見つめ直して、直す点あれば直したらいいと思うのだが、そこまでは言えない。安価な優越感なんか、きれいに捨てて、謙虚になれば、生きることが楽になるのに。今度はそう忠言してみよう。

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