はじめに診察を受けたドクターの所見に納得できないとか、またはもう一人のドクターの考えも聞いてみたいというときに自分で得るのが「セカンドオピニオン」、いわゆる「第二の所見」です。とにかく最近ちまたで大流行り。

今年6月に新潟で開催の「第11回日本乳癌学会」でのメーンテーマもこれです。アメリカ辺りでは当然のことが、日本では話題になる。何しろ日本には「セカンドオピニオンを考える会」なんていう会もあるくらいですから。アメリカの友人がこの会の名称に少し呆れていました。何をする会なの?というのです。

そういう日本の実情はどうでしょう。みなさんは第二の所見を追求しましたか。自分の希望というより、周りの人に「念のために、別の病院へも行ったほうがよいのではないの」などとアドバイス(入れ知恵?)されて、追求した人もいるでしょう。

ただ、「第二の所見」を得たいのであれば、あくまで、「第一の所見」を自分の頭で十分理解して、完全に消化していることが条件です。そうでないと、迷うばかり。

例えば、よく電話相談にあるのですが、A先生から乳房全摘手術を勧められた、しかし、温存手術をしてほしいので、B先生の所へ行ったら、温存できますよ、という。このまま温存手術をしてもらえばいいでしょうか、というような相談です。あけぼの会の返事次第でAかBか、大事な手術方法を決めるのでしょうか。

この患者はA先生にどうして全摘手術が必要なのか、納得いくまで説明してもらっていない。単純明快なのに、それができない人が多い。先生を怒らせると悪いからと遠慮したり、または忙しそうなのでと怖気ついたり。確かに日本の診察室は、患者が聞きたいことがあっても、聞きにくい雰囲気です。でも聞かなければどうしますか。あとで、思いついたらその時点で聞けばいい。電話でもよろしいし、またご主人に聞いてもらってもいい(得てして、男性に対して丁寧に答えてくれる)

A先生が「私の診立てはこれこれ。よって、全摘手術を勧めます。もしあなたが他で再度診察を受けたいのであれば、当院の検査結果と私の所見をお渡ししますよ。別のドクターと私の所見とを比較検討して、決めればよろしいでしょう」

さて、日本のドクターはこのように寛大な精神で患者に接しているでしょうか?