今日は私の頭が全く回転しないので、他の大先生のご本からよい知恵を拝借することにしました。国立がんセンター中央病院副院長の野村和弘先生が「最新がん診療」(PHP研究所/発行)の中で書いておられる「外科治療を受ける患者さんに対するアドバイス」です。

≪手術或いは他の治療を受ける時に、患者さんが知っておかなければならないこと≫
1) 病気が何か、放置しておいてよいか
2) 自分の病気に関連して行われる治療はどのようなものか
3) 自分の治療に関連した問題を解決するのに、どんな方法があるのか
4) 標準的方法、従来その施設で行われていた方法は、どのようなものがあるか
5) 勧められている方法及び他の方法の長所短所、この方法がベストなのかどうか
6) 示された方法の危険性、副作用、後遺症などについて自分で理解できたかどうか
7) 示された方法の内容と経済的身体的負担は何か
8) 示された方法を受けなければどうなるか
9) 説明されたことについて、身内や友人に自分の言葉で説明できるか
10) 自分の疑問にすべて答えてもらったか
11) 説明、使用されている語句に付いて理解できたか
12) 示された方法を行うのに、どの医師が、或いはどのようなグループが行うのか
13) 治療の選択は自分の意志で決定できること
14) この方法で自分に得られる利益が、可能性のある危険性を上回ると思うかどうか
15) 自分で望まなければ、この方法に同意しなくてもよいこと
16) 今後の見通しはどうか

「がんの診断が確定し、或いは疑いが濃厚であり、手術によってそれを確認する必要性があるとなった場合に、担当医が手術をしなければならない理由を説明します。手術が必要な理由ですが、がんの進み具合が問題になってきます。早期のがんであれば、手術の方法も複数の中から選択できます。内視鏡的手術か、標準的手術で済むのか、或いは拡大手術が必要か、など。その結果、手術の同意が求められます。患者さんのあなたが本当に納得した時に同意することになります」
 この同意をするために、上の16か条すべてについて、患者が理解し、納得していなければならないと、野村先生は患者に易しい言葉でおっしゃっているのです。