明日あさっての5月第二日曜日は全国的に母の日。世界的にもMother’s Dayです。あけぼの会では恒例の「母の日キャンペーン」を全国33の都道府県で展開いたします。正午の鐘を合図に、会員有志が街頭でポケットティッシュを配布するキャンペーン。今年は過去最高、総勢700人近い会員が出動の予定です。

 ティッシュには「月に一度の自己検診」をして、「お母さんは乳がんで命をなくさないで」(子供に悲しい思いをさせないで)のメッセージが入っている。これこそ、あけぼの会のモットー「乳がん死ゼロ」に繋がる糸の端です。

 言い換えれば、自己検診を励行して、異常に気付いたら専門医に診断を仰ぎ、早期発見。そうすれば、乳がんで死ぬことはありません、と繋がっていく。しかも、読んで字の通り、自分で出来る検診なのです。

 おもえば、私も自分で、意図的に乳房を触っていて、しこりを見つけました。それでもビー玉の大きさになっていて、脇の下のリンパ節に二個転移していましたね。超早期、ではなかったので、術後、再発の不安でノイローゼのようになったのでした。結果的に生き延びていますから、ありがたいのですが、もし、あの段階で気付いていなかったら、今日の命があったかどうか、わかったものではありません。

 ですから、偶発的にしこりに触れるまで待つのは困ります。先取り検査をいたしましょう。乳がんと果敢に闘ったあの千葉敦子さんはある日、体をよじって目覚まし時計に手を伸ばした時に腕がしこりに当たったのですが、しこりは既に大きくなっていたので早期発見ではなかった。他にも、お風呂で体を洗っていて、偶然しこりに触れた、という人が少なくありません。

 「お風呂で体を洗うとき、月に一度だけでよろしいので、心して自分で触診してみてください、しこりのようなものがあれば自分で気が付きますよ」

 この日は、あけぼの会全国の有志がもっとも燃える日。講演会などの催しはどうしても大都市中心になりがちなのですが、このキャンペーンだけは全国一律、どこの県でも同じ。それどころか、会員の少ない地方の県のほうが参加人数が多かったりする。2年前、島根県で全会員が参加、出動率100パーセントの記録を作りました。全国の支部が思いを一つにして、同時刻に同じアクションをする。あけぼの会の有志が日本地図をうごめかせる。これがすごい。

 会員のみなさんよ、母の日に街に出てティッシュ配りをする、その勇気ある行為は賞賛に値するのです。自分のがん体験を無駄にはすまい。めいめいが熱い思い、使命感を表す一つの行為、それがわれらの‘母の日キャンペーン’。

 世界中に乳がん患者会は万とありますが、20年も続けて、この手のキャンペーンを繰り広げている会は日本だけです。日本の乳がん女性こそ、世界一たくましい!