今年こそは私に取って少し平和で楽な一年になりますよう!みんなで祈ってください。
2007年最後の日、23:59に何故かパチッと目が開いた。
ますます神掛かってきた私。
急いでテレビをつけると、ロンドン・アイでカウントダウンが始まっている。
人人人、人の山、サン、ニッ、イチッ、ゼロッ! で夜空に舞い上がった超大スペクタルの花火。
日本のお家芸と思っていた私はバカ、こんな見事な花火、初めてみた。やるじゃない、イギリス火薬職人も。
テームズ川の水面に映って煌く。
上品で繊細で強烈。私の魂が溶けてしまった。

 ロンドン・アイとは、2000年のミレニアムに出来た世界最大の観覧車。
25 人乗りの巨大カプセル( 直径 135 メートル )が32個連なる。
一周に30分かかる。
4人乗りのカプセルみたいにカランコロンと揺れたりしない。
カプセルが大きな部屋になっていて中を自由に歩き回れる。
5年前にアストラゼネカの会議で来たとき、エスコート役の白井さんと2回も乗った。
極寒の2月、視界40キロといわれる眺景より乗り場で順番待ちしていた時の身を切る風の冷たさが思い出される。
今知ったが、10ポンド余計に払えば優先搭乗が出来た。

 その観覧車の一台一台からいっせいに光の華が発射される、ように見えるデザイン。
アイを設計した人は大晦日の花火の発進基地として計算していたのだろうか。
ロンドン子にこれ以上は望めないハッピーニューイヤーのプレゼント。
テレビのアナウンサーは興奮して2012年のオリンピック開催の話までしている。
4年後、まず夫は生きてはいないだろう、この私だってわかったものではない。
でも生きていれば、この暗い惨めな気持ちなどすっかり忘却、大金持ちとサイコンして、朝から「マイフェアレディ」でも歌っているかもね。

 こちらへ来てもうすぐ2週間にならんとしているのに、遅々として書き進めない。
書く気が湧いてこない。
疲れと時差と抑鬱感情のせいだろうか。
愛読者のみなさんは、今日こそ更新?と連日、会のHPをチェックしているのでしょう、期待に添えずにごめん。
帰国の都度、想像してもいなかった人たちが結構覗き読みしているのを知る。
「なんて言葉をかけていいかわからないから黙っていた」 とそんな人たちは言うけど、言葉はほとばしり出るもの、それを伝えるのに何の躊躇いがあるのか、ほとばしりの勢いが足りないんでしょ。

 息子が31日からサンフランシスコへ一人で遊びに行ってしまった。
一番気が休まる故郷のようなところなのだろう。
仕事も探せないまま、ロンドン生活2年が過ぎたというのに、アメリカ里帰りなんかしている場合か、このバカ息子。
彼は自分のしたい事は絶対するという頑固さだけが取得なので誰も止められない。
娘と二人の静かな夜中にこれからのことを話し合う。
今年こそ変化の年にしなければ。
病人は死を待つのみの毎日、あんたたちは将来を持つ身、死人に付き合うのはもういい加減やめにして新しい人生を歩み始めてくれ。

 夕べも粗相をしたパンツをブラシで洗い、もみ洗いして、シーツから掛け毛布から全部洗濯機に入れた。
くさくて汚くて息が止まる。
身が硬直する。
便の始末などしていて何とも思わないの、と娘に聞けば、こんなことしていていいのかと毎回思うという。
なら、打開し抜け出さなければ。
死ぬ人の尊厳より生きている私たちの尊厳のほうが大事なのよ。

バナー広告

コム・クエスト

共同文化社

とどくすり