こちらに来てアメリカ在住の会員、富樫理恵子さんに会って、ロスアンジェルスの町に連れて行ってもらいました。海外に来ても会員がいて、私を歓迎してくれるので、本当にありがたいことであります。アメリカに、あけぼの会の支部ができないかと期待していますが、在米会員は4人だけ。それも東海岸と西海岸に離れて住んでいるので、全員集合がむずかしい。なんといっても、ばかでかい国。

 アメリカ人の食事を観察するに、まず、がんになりやすい食習慣である、と断言したくなる。それも食べる量が日本人の軽く2倍。3倍でも平気な人がざらにいそうな感じです。当然、肥満体の人も多くて、思わず立ち止まって眺めてしまうくらい大きい。洋服売り場には小錦がはくようなパンツやスカートがあって、これも思わず広げて見てしまう。

 この国では肥満が原因で病気になり、それに要する治療費が目に余るので、国を挙げた政策を打ち出した、というニュースを以前聞いた気がするのですが、あれはどうなったのか、最近は誰も騒いでいない模様です。何でも大きくて、何でもたっぷりあって、何でも鷹揚で、日本人の私は羨ましいと思うことが多いのですが、あの食事の量だけは慣れることができません。

 乳がん術後患者にとって、太ることがご法度の日本では、定期検査のたびに体重計量があり、少しでも増えていれば厳しいお咎めを喰らいます。今は退官されましたが、大阪市立大学病院の酒井克治教授は特にこの一点に厳格で、患者は検査日には朝食を抜いてみたり、病院内でエレベーターを使わずに階段を登ったりして、体重に気を使ったというエピソードが残っています。太らないように努力することは他の病気にならないためにも良策なので、感謝すべきでしょうか。

 アメリカ女性の乳がん発症率が高い原因の一つは食べもの(動物性脂肪が多い)のせいである、といわれてきました。それは単に肉食、乳製品の摂取量が日本人に比べて多いからという理解でしたが、今回改めて、その量がはんぱでないことを確認して、あれでは病気にならないのがおかしい、と納得した次第です。

 乳がん早期発見のキャンペーンを派手に掲げていますが、食習慣改善策にも同時に砕身すべきでしょう。今に、罹患率を減らすためには日本人の食生活に見習えキャンペーンが始まるのではないでしょうか。もう誰もが知っているように、この国で日本のおすしが大人気。アメリカ人がカウンターに座って日本人の板前さんにトロやウニを注文している光景は楽しくなりますね。

 そんなこんなの2週間のロス滞在で、明日(30日)はいよいよ帰国です。