昨日(5月10日)はジャパン・ウェルネスというNPO団体が主催する講演会に出かけてきました。講演会のテーマは「望ましいがん治療の在り方を求めて」。そして、副題は「人生をエンジョイし、治療効果を最大限に引き出すために」でした。がん患者の視点に立ったテーマと言えますが、私なら、副題を「治療効果を最大限に引き出して、人生をエンジョイするために」としたものでしょう。がん患者が人生をエンジョイするには、がんが治っているという実感がなければなりませんものね。
まあ、そんなことはともかく、この「ジャパン・ウェルネス」という団体のご紹介をいたしましょう。もちろん、ホームページがありますから詳細はそちらで。
元日赤医療センターの外科部長、現日赤看護大学客員教授の竹中文良先生がアメリカの「The Wellness Community」の精神を日本に根付かせようとして、単身アメリカへ行かれて厳しい訓練を受けてこられて立ち上げました。その精神とは一口で言うと「Patient Active」、アクティブな患者になりましょう、がん患者といえどもアクティブでなければならない、即ち、自ら行動すべきで、受身であってはならない、という元気スピリット。
竹中先生は今ではすっかりお元気なのですが、ご自分でもがんの体験をされたので、日本のがん医療に欠落している「がん患者の精神的自立」に注目されたのだと思います。
「ウェルネス」は患者の自立をサポートするために専門家を揃えて、患者の相談に乗ったり、患者同士が話し合う部屋を設けたり、座禅やアロマセラピーなどの癒し教室を開いたり、専門医がセカンドオピニオンとしての診断をしたり、さまざまな企画を実践しています。会員制で年会費を払うと誰でも会員になれます。
がん患者や患者の家族がどこにも相談できない時には、こういうところで相談されるのが一番だと思いますし、他のがん患者に会いたい、会って直接話がしたいというようなときには是非訪ねたらよろしいでしょう。
電話相談には限界があります。こういうところへ出かけて(まさにアクティブ!)、専門医にゆっくり話を聞いてもらい、体験者と会って話をしたりすることは、何より効果的な薬で、明日への生きる活力になること間違いありません。