約3ヘクタール一面に真っ赤な絨毯!<br>

―吉賀町ひがん花まつり(島根県鹿足郡)-<br>撮影:和崎美幸(山口)2020/9/27約3ヘクタール一面に真っ赤な絨毯!
―吉賀町ひがん花まつり(島根県鹿足郡)-
撮影:和崎美幸(山口)2020/9/27
去る9/18(金)「中日新聞」朝刊に次のような記事がありました(一部抜粋)

『乳がん治療に選択肢』  
―分子標的薬「トラツズマブ(商品名ハーセプチン)」が「抗がん剤なしでも一定効果 」
  ―愛知県がんセンターが確認

乳がんの再発防止目的で、がん細胞の分裂を抑える抗がん剤と併用して使われる分子標的 薬トラスツズマブ(商品名ハーセプチン)は、単独で使っても効果が生じることを愛知県がんセンター(名古屋市)の沢木正孝・乳腺科部医長らが確認した。これまでは副作用から抗がん剤使用をためらう患者はトラスツズマブの使用もできず、無治療になっていた 。乳がん治療の選択肢を広げる研究成果という。
 9/16 付の米専門誌「ジャーナル・オブ・クリニカル・オンコロジー」電子版で発表した。乳がんの発生原因の一つとされる「HER2」(ハーツー)遺伝子の活発化を防ぐトラスツズマブは、抗がん剤との併用が標準治療になっている。ただ、抗がん剤は脱毛や吐き気 、発熱、貧血といった副作用が出ることが多く「使わないがん患者は少なくない」(沢木医長)という。  
「抗がん剤治療を選ばない患者もトラスツズマブを使うチャンスはないのか」と考えた沢木医長が70歳以上の乳がん患者計275人を3年間トラスツズマブ単独と抗がん剤の併用を比較した。その結果として単独、併用しなくても再発しない患者が全体の9割でほとんど効果は変わらなかったという、また、再発した患者数も少数だった。~引用終わり~

単独でも一定の効果はあり、副作用も発生せず「生活の質」(QOL)も低下せず、であれば、患者にとっては選択肢の枠が広がり朗報です。抗がん剤は、記事にも書かれているように、吐き気や脱毛などの副作用があり、「使わない患者は少なくない」ので、そういう人にはこれは画期的な朗報と言えるでしょう。

また、単独で使えるようになれば、身体的だけでなく金銭的にもかなり違ってくるはずです。再発乳がん患者の例を2例紹介します。
再発後4年半の人ですが、今ハーセプチンとパージェタを3週間に一度受けています。保険適用で¥44,400×75回受け,今も継続投与していますが、合算すると約¥3,330,000。
34歳からハーセプチンと抗がん剤併用治療して約15年、合算すると¥10,000,000以上になるそうです。勿論保険適用での金額です。

治療費の為に働いている患者は沢山みえると思います。特に若くして乳がんに罹患した方は、治療のスパンが長くなります。このコロナ禍で仕事もなくなった方もきっといるだろうと思われますが、再発防止の為にも、ハーセプチンと抗がん剤の併用が嫌で諦めてしまって、無治療にしないでほしいと願います。

▲上記の記事の最後は「県がんセンターでは、今後、トラスツズマブ単独での使用もしていくという」と結ばれています。   橋渡智美 hashido@gifu.email.ne.jp 
      ※トラスツズマブ(商品名ハーセプチン)単独でも保険適用             
            ※愛知県がんセンター以外の病院でも可能