今日は朝からどんよりと曇った長梅雨の一日。がん患者はそうでなくても気がふさぎがちなのに、このお天気ではますます滅入るばかり。悲壮感が押し寄せてきて、体が重くなり、肩がだんだん垂れ下がっていって沈み込んでしまいそう。自分が息をしていることも忘れそう。時折、思い出したように吐くのはため息。このままでは気がどうかなりそう。

そんな時はまず立ち上がって、伸びをして、一つ大きく深呼吸をしましょうか。そして、「そうだ、私は生きているのだ」と気付いたら、台所へ行ってコーヒーを沸かして飲みましょう。日本茶でも紅茶でもいい。とにかくカフェインで体をしゃっきりさせなくちゃ。甘いお菓子の一つもあれば口に入れて。

音楽もバンバンかけて。(私は「ホテル・カリフォルニア」なんかをボリューム上げて何回も繰り返し聞きましたね)そうして、考えてみましょう。こんな風にふさいでいても一日、何かバリバリやっても一日、だったら何かしたほうがよいのではと。がんになる前までは、あなたは相当なガンバリ屋さんだったはず。あのがんばりはどこへ行ったのか、自分でも歯痒いでしょ。そう、何かしなくちゃ。

でも、実際に何をすればよいか、誰も教えてくれない。実は何でもいいのです。とにかく行動をおこすこと。アクション! 掃除、洗濯、お片づけ、電話でおしゃべり、買い物、映画、外食、コンサート、などなど日常の手っ取り早いものから始めてみる。一番よいのは電話でおしゃべりできる人がいること。次は、会って、お茶を飲んだり食事をしたりする友達がいること。とにかく人と話をすると気がまぎれる。最高の妙薬でしょう。

あるとき、あけぼの会に入会したばかりの人から長文の手紙が送られてきました。なんと便箋に10枚、めんめんと自分の不安な気持ち、心境を述べていました。そして最後に「最後まで読んでくださってありがとうございました。手紙を書いて送るところがあるとわかっただけで救われました」と書き添えてあったのです。

電話をかけてくる人の中にも、これといって聞きたいことがあるわけではないのだけど誰かと話がしたいので、という人もいる。そんな人には特に親切に受け答えしなければならないのに、はっきりしないと、「あなたは何が聞きたいの」と暗に、用事がないなら電話しないで、と言わんばかり。これは改めなければいけません。梅雨空を見上げながら、しばし、かなり謙虚に、反省をしたところです。