2月9日、3週間ぶりに帰国しました。成田、気温2度。帰国便を変更できない格安チケットで往復しているので、本当は3,4日先にしたかったのだが、延ばせなかった。というのも、病人の帰国願望は強く、息子とイギリスへ移動することに決めて、切符も取れて、それが14日だと言っている。私が飛行場まで荷物運びを手伝って、二人が無事飛行機に乗ったことを見届けてからの帰国だったら心残りもなかったのだが、しかたがない。向こうでは娘が待機している。
子供たちがまだ小さかったころ、夫がロンドン・ヒースロー空港から2人を見送って、私がニューヨークのケネディ空港で受け取ったことがあったが、まだ6歳と4歳だったか、スチュ―ワデスに連れられた二人がしっかり手をつないで歩いて出てきたときはかわいかった。今、その父親が子供になって、逆に子供たちに面倒見てもらっている。これでいいのだ。この間、30年近い歳月が流れたことになるが、もう一度30年前に戻って、あのケネディ空港からでも人生やり直せたら、どんなにかありがたいだろう。
帰国してなにが一番うれしいか。日本のラーメンが食べられること。家に辿り着く前に渋谷駅で途中下車して、しょう油ラーメン食べました。私ってマメですね。次はやはり犬猫に再会する瞬間、シンチャンは尻尾を引っ千切れんばかりに振ってのよろこびよう。そして、今回はシンピジュームが思い切り咲いて私を歓迎してくれている。出たときはおおかた固いつぼみだったが、今、この世の春とばかりに咲き誇っている。今も残っているつぼみは団子のようにむっちりと健康、花は優雅そのもの。大鉢に太い茎が5本、1本に17もの花が付いている。ありがとう、神様、これは天からの贈り物ね。
日本の冬は寒いけど、眠りやすい。連日7時に寝て、朝5時まで起きない。疲れがどっと出たのか私は眠り姫。この寒さの中、電気毛布のぬくもりの中で寝るのが最高。バンコックは暑いからクーラーかけっぱなし。まず、その音がうるさい。そして早朝4時ころから、なんという鳥だったか怪鳥が甲高い声で泣き叫ぶので、その声で私なんか完全に目がさめてしまう。それと不眠症の病人が時たま、ものを落としたりすれば、すわ一大事と飛んでいかねばならない。日本は平和、とはよくいったもの。
しかし、この平和な日本に長居できない辛い定めの私はいま、イギリス行きの安価切符を探すのに躍起になっている。「帰国便変更可」にしないと、これからは何が起きるかわからないので病人の容態で動くようになる。韓国経由ロンドン行き88日有効、これが一番親切な値段。韓国ですねえ、ひょっとして、チュンサンが乗ってきて私の隣に座るかも。そうでなくても、1万円払えば往きか帰りにソウル泊もできるという。我が友パクさんにも会いたいし、これに決めよう。