成田空港行き、1時間前に迫っている。私は今日、いい日旅発ち!11時40分発ロンドンヒースローへ。今回は8、9、10月きっちり日本で働いて久しぶりの渡英なので、少し緊張、でも100日ぶりに家族に再会できるのはやはり興奮。但し、かなり疲れていて、こうしてじっと座っていても体が斜めにずり落ちそう。これってオーバー? 朝日新聞ピンクリボンフェスタ神戸会場で天井の照明を見ていると、そこにピンクの色が点滅するので、目を擦ると消えて、でもまたピンクが出て、あのピンクは私の着ていたスーツの色だった。

 みなさん、「乳がんと闘うあなたに贈るピアノコンサートとお話」は無事終りました。素晴らしい感動の一日。ピアノはショパンの「別れの曲」「ノクターン」「英雄ポロネーズ」そして、あの郷愁の「エリーゼのために」そして最後はなんと「マイウエイ」まだ他にもありましたが、何とかの何番とか言われるともう覚え切れなくて、すみません、遠藤郁子さん。あなたのピアノは時にやさしく時に激しく時に強く・・・みんな泣いていました。「あなたにとって、ピアノとは?」と聞かれたら「祈り」と答えると言われた。まさに祈り。

 そしてハプニングは遠藤さんのお母さん、立派なピアニストです。開場前の音合わせの時から会場で一人じっと座っておられて、控え室へご案内しようとしても、ここにいます、それも郁子さんの弾く手が見える席に座りたい、とおっしゃったそうで、これだけでも驚きですが、そのお母さん、最後の壇上に支えられて登壇、「1曲いかがですか」と聞くや否やつかつかとピアノに一人で歩み寄り、パラパラパラッとなんでしたか、有名なチューンを弾き始められたのです。喜んだのは会場のみなさん、大拍手!なんと言っても90歳。

 体が覚えているのでしょう。舞うように弾いておられた。郁子さんが止めに入らなければいつまでもピアノの前から離れたくない熱意が漂っていました。近々お一人のピアノコンサートもなさるとか、あの日、あのお姿を拝見した、再発で落ち込んでいた人たちは私も負けてはいられない、と奮起したことでしょう。予想外の天からのプレゼントでした。ですから、何でも進んで出かけてこなければ、出れば何かに遭遇する。人生はそうなのよ。

 第2部のパネルディスカッション、中村先生、渡辺先生、ナースの玉橋さんは午前中しっかり働いてから駆けつけてくれました。内容が再発治療法になるので、厳しい応答もありましたが、先生かたがわかりやすく解説してくださったのがよかった。会場のみなさんの知りたかったことを司会の玉橋さんと私がうまく聞き出せたか、自信がない。私は前夜に食べたお寿司が当たって夜中に七転八倒、腹に力が入らず、いつものパワーがなかった。

 ああ、これで私の狂った10月が終わりました。思えば、10月1日から31日までびっちり働きました。会場でなんと17人の方が入会され、私の著書「愛と勇気の玉手箱」は50冊も売れました。入会されたかたも本を買ってくださったかたも決して失望はしないと思いますね、私たちの会は実にいい会、そして、私の本は愛の言葉満載、胸を張って言いたい。すごい、出発の時間が迫ってきたら、なんだか言うことも激化してきました。

 今度はいつお帰りになるの、とみなさんが聞いてくれる。「帰る?」イギリスへ行くことを帰ると言ってくれるみなさんの気持ちに愛を感じます。ありがとう、では行ってきます!

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