25日。日本の中外製薬の平井さんとデートの日。彼は来月スイスのバーゼルへ家族連れで赴任するのだが、その前にキングスイングリッシュの特訓のために約1ヶ月間、この国に来ていて、28日に帰国する。列車で1時間半もかかる郊外から出てくるので、パディントン駅で待ち合わせた。ヒースロー空港行きの電車もここから出ている。とにかくでかい駅、そこになんと回転寿司カウンターが!ざっと30人は座れそう。かくして、日本の寿司は世界一誇り高き英国人から市民権を獲得、寿司皿は堂々、レールの上を回っていた。

 (本職?は)ダンサーなので、やはりダンス物語のミュージカルを見つけて、それに私を招待してくれるという。「Billy Elliot」 映画は「リトルダンサー」という題名だった。炭坑夫の息子がダンスの才能に目覚めて、ロイヤルバレー団のテストに受かる物語。1ヶ月ぶりで会ったMr.平井はひげなどはやして、いかにも武者修行中という風貌。でもひげも似合っている。「どう?」と聞くと、「気に入ってます」という答え。イギリスが好きだという。こういう人はいい。最初から「余り好きではない」なんていう日本人が多いから。

 日本にあるあれこれがないからとか、日本だったらこうなのにとか、外国に来て日本のことばかり言ったり物を比べたりして、だから好きでないと言う人。バカじゃない、よその国に来て、自分の国と違うと文句言うなんて。私は日本も好きだけど、外国大好き、違う国の人と友達になるのが大好き、本当に好き。英語特訓宿舎には一人も日本人がいなかったそうで、完全に英語の世界、みなに好かれて日本のことなどあれこれ聞かれた、お得意のダンスを披露したら、いっぺんに人気者になった、という。特技は武器。

 彼と私は親子の年齢差なので、私は小森のオバチャマ風だったに違いないが、エキサイティングな異国のデート、大満足だった。彼も日本語で思い切り話せて喜んでくれたが、風邪でほとんど声が出なかったから聞き苦しかったに違いない。それにしてもビクトリアシアターは水曜の夜だというのにほぼ満杯、主にアメリカ人の中年旅行客と見た。いまロンドンで一押しの出し物だそう。ダンサー平井にはたまらなかっただろうが、私には必要以上に観客を楽しませようとする意図が見えすぎて、引っかかった。主役の子役が一人で大舞台を舞って、大人の観衆を食っていたのは見事、最後は全員総立ち、拍手喝采だった。
 今回、なるべく触れないようにしていた時差戦争、全くないわけではないが、なぜかマイルド、日本時間に忠実に眠くなって、その都度少し寝ることで却って現地時間に対応していくみたい。以前のように一日中疲れていた感はなくて、気分はまず良好。やはり日本で十分休養取ったのがよかった。疲れが抜け切れないうちに、飛行機に乗って移動を繰り返したクレージーな2006年だった。ひるがえって、2007年の介護計画だが、どうしたものだろう。変わり映えしない予感。あけぼの会の仕事も今年は本腰入れてしたいのに。

 今、気にかかっているのはスウェーデンの乳がん国際会議、5月30日からだが、行くべきか、参加費が5万、ホテルが1泊2万もしてバカらしいので申し込んでいないが、主催者のイングリッドは古きよき友なので表敬参加すべきなのだ。ケチな私は迷って頭が痛い。

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