昨夕、フイリップ・アントルモンという名ピアニストの指揮・ピアノによるプラハ室内管弦楽団のコンサートに招待されて行ってきました。 プログラムに‘極上のモーツアルト’と、うたってあった通り、極上で、クラシック音痴の私も究極の感動に酔ってきました。この感動を全国のがん患者のみなさんにも体で感じてほしい、と聴いている間中、考えていましたよ。
コンサート会場に座って、クラシックを聴くひとときは、日常の雑事から遠く離れて、たとえれば、宇宙を遊泳しているような透明で純粋のとき。旋律が疲れた神経を癒してくれることは歴然ですが、非日常性の空間にいること、それだけでストレスの解消になるでしょう。
多かれ少なかれ、何らかのストレスががん発症の原因になったと大体の人は思っている。そして術後も、不安によるストレスで結構疲れている。大体、病院へ行くこと自体、ストレスですよね。以前にも同じような内容で書いた記憶がありますが、みなさん、自分でストレス解消法を見つけることがとても大事です。
今度、あけぼの会でスペインから来日するクリスティーナ・オヨス・フラメンコ舞踊団の会員割引特典をもらったので、全国の会員にお勧めしています。オヨスさんは8年前に乳がんの手術を受け、その後2002年3月には「乳がん撲滅運動に対する支援と功績でヨーロッパがん協会より表彰された」そうです。
「日本の乳がん患者さんに会いたい、踊りを見て感動してもらいたい」と言っておられると聞いて、この「感動」の二文字にすぐに飛びついて実現の運びになりました。楽団もフラメンコギターリストも同行してくるので、総勢50名を超える一行連隊。フラメンコもこの公演は大勢のダンサーが一度に舞台で舞うスペクタクルだそうで、私が今まで抱いていたフラメンコのイメージとは違うのです。
会員には一生に一度、というような感動の見ものをいくつも見てほしいとねがっています。映画、オペラ、歌舞伎、タンゴ、コンサート、合唱、何でもいいですね。サッカーの試合もなかなか生で見るとテレビとは違う興奮だそうです。
がん患者はとにかく、一度のサボりもなく治療を受けることをまじめに考えて余裕がないのが常ですが、カルチャーのために治療を一度くらいサボっても、代わりに‘感動’という特効薬が効いて免疫力が上がるかも知れません。
このフラメンコが成功したら、会では「カルチャー部門」を作って、お勧めの見ものを全国的に紹介していきたいと考えています。長年、年一度の温泉旅行が唯一、癒しの行事だったのですが、これからは文化水準を少し引き上げることにしました。
私、明日からちょっとミラノ行き。<乳がん患者会リーダーのための国際会議>があって召集されました。足腰頭が丈夫なうちだけと思って、張り切って行って、ジャパンのあけぼの会を宣伝してまいりましょう。成果は次回に。チャオ!