前回はちょっと重いテーマでした。がん患者の会ですから、避けられない宿命のようなものです。辛い現実です。

 さて、私たち、あけぼの会ご一行様は9月1日から4日まで開催される‘アジア・パシフィック乳がんサポート会議’に参加するため、8月31日にシンガポールへ出かけます。総勢61名、中に4人の会員の家族も含まれていますが、成田、関空、福岡と三つの空港から3班に分かれての出発です。

 「会議に参加」はちょっと違って、「会議と称してツアーに行きます」が正しい。というのも会議はオール英語なので、大体の人がわからない。それで、開会式、ディナー大会といった社交イベントには全員参加ですが、他は自由観光とショッピングであります。よろしいのではないでしょうか。私はみなさんに大いに楽しんで、感激して、生涯の思い出の旅にしてもらいたいのです。

 ここで、私のひらめき。がん患者に必要なのは三つの「動」。運動、行動、感動。どうです?いいでしょ。これは完全に私の特許ですからね、みなさん、証人になってくださいよ。適度で規則正しい「運動」、思ったらすぐ「行動」、そして心からの「感動」。英語でいうと、さしずめ、スポーツ、アクション、エキサイトメント。

 この三つで免疫力アップは確実です。巷の「がんに効く」商品をあれこれ購入するまえに、自分の力で免疫を高めることができるか、考えてみて、実行してみて。だって、体を動かして、心を動かせば、血流がよくなって、細胞が活性化される、でしょう。じっとして、なんだかよくわからないものを高いお金出して買って飲むよりはましに決まっている。

 シンガポールへ行って、アジアのほかの国から来た同じ体験者に会って、言葉は思うように通じなくても、すぐに意気投合、友達になる。これが素晴らしい。この体験って、ひょっとしたら、がんになったからこそ(そしてあけぼの会に入会しているからこそ?)としたら、乳がんのおかげということになる?

 「がんになってよかった」というのは私の真意ではありません。ならないほうがよいに決まっているからです。でも、なったからこそ、会ができて、無限の友を得ることが出来た。ならなかったら絶対に会うことはなかった人たちが国の内外にいっぱいいて、生涯の友になっている。これは、会員がみな感じていることでしょう。

 開会式にあけぼの会61名は全員お揃いのピンクTシャツを着て参加します。ちょっとした威圧団体ですね。「日本のあけぼの会ここにあり」と目立ちたいのと、結束力の強さを見せたいという魂胆であります。でも私が団長なので、完全にやくざご一行に見えそうで、まずいかな、とも。

 いずれにしても、私も20分の活動発表をしますので、そのとき、アジアのみなさんにもこの「三つの動」を披露してこようかと考えています。受けますかしらね。

 (私はこの28日からバンコクへ一人で先に行き、そこからシンガポール入りして、会議の後はまたバンコクへ戻って滞在、9月9日まで帰国しません。娘と孫に会ってきます。それでこのページ、またしばらくお休みです。再開を楽しみに)