日本のみなさん、こんにちは。報告が遅れましたが、11月22日に無事帰国しました。今回は長い間、時差ぼけ調整に手間取ってしまいました。夕方7時には眠くなり、朝方2時に目が開いて、という具合。日本の夕方7時は夜中の2時、朝方2時は同じく朝の9時が米国西海岸タイム。年を取ると順応性がなくなるのです。
アメリカで目いっぱいエンジョイしてきた’つけ‘が廻っていたのです。なんとあのラスベガスにも行って、スロットマシンで夜明けまで遊んで、かすかに儲けたりして。サンフランシスコでは32歳の息子に毎日朝食夕食を作って食べさせて、といってもたったの3日だけでしたが、過保護ママをやってきました。
気になっていたクローゼットの中も強引に整理して、山ほど物を捨ててもらって、思わず「ありがとう」と私が彼に感謝したりして。独身息子を持つお母さん、わかるでしょ、この光景。殺風景な風呂場の窓にショッキングピンク系のカーテンを吊るしてあげました。アメリカは天井が高いので、結構大変だったのですが、喜んでくれると思いきや、一瞥するや、私が日本に帰ったらすぐ外す、なんて言うのです。親の心子知らず。好みが合わないなんて、贅沢を言うのです。
そしてみなさんに土産話もちゃんとあります。テレビを見ていたら、いきなり乳がん。これで、私は滞米中、遊んでばかりいなかったことを証明できる、とばかりに神経集中して見ました。テレビ局のアナウンサーが乳がんと分かり手術を受けて、そののち職場復帰しているというルポでした。出産後8ヶ月で発見だったのですが、驚きは、結婚時に遺伝子検査を受けていたこと。それで、自分は乳がんになる確率の高い遺伝子を持っていることが分かっていた、というのです。
アメリカで永住権申請のために受けた血液検査でエイズが発覚したという、ある日本女性の手記を読んだことがありますが、結婚する時に乳がんの遺伝子検査をする話は初めて聞きました。もうこれが常識になっているのでしょうか。さすが、アメリカ女性。でもちょっと首を傾げたくなるのは、授乳中の発見だったこと。がん細胞を持ったまま8ヶ月も授乳していたなんて、かなり怖い話でありますまいか。
遺伝子保有者だから、いつなるかなるかと気にかけていたのではなかったの、あんた、と詰め寄るのは気の毒かしら。妊娠、出産、授乳の喜びと忙しさで放念してしまっていたのでしょう。結局、両側全摘手術。術後は強い抗がん剤で髪が抜けてしまった。その映像もバッチリありました。アメリカでもまだ必要な人には全摘手術をしているのです。このルポ自体のメッセージがなんだったのか、ただ淡々と経過を映していただけで、ちょっと物足りなかった、というのが勢い込んだ私の感想。
同じく私の滞米中に、元副大統領候補のエドワード夫人の乳がんが公表されました。もう手術は終わっているはずですが、発見から病院選びまでのエピソードをこの次に。3週間以上も穴を空けたお詫びに次号はすぐ書きます。誓います。