元アメリカ副大統領候補のエドワーズ夫人(55)は去る11月2日、選挙で敗北がわかった日に自分が乳がんであることを米国民に発表しました。右胸のしこりに気付いたのは10月22日、そして29日に受けた超音波検査でほぼ‘がん’と決まり、選挙戦追い込み中の夫に電話ではじめて告げる。ただ、選挙が終ってからでも十分間に合うので、今までどおりキャンペーンは続行するよう、念を押しました。
選挙の翌日、マサチューセッツ・ジェネラル・ホスピタルで針生検をした結果、浸潤がんと確定。治療方針は抗がん剤16週間コースを先に受けてから手術。16週と言えば、4ヶ月。ということは、今まだ化学療法中ですね。ずいぶん念入りですが、手術のあとすぐ放射線治療を始めるそうなので、温存療法なのでしょうか。
この夫婦は1996年に当時16歳だった息子を交通事故でなくして、その悲しみから立ち直るため、夫人は47歳の時、婦人科治療を受けて、2年後に女子、更に2年後に男子を産んで、今その子たちは6歳と4歳。他に22歳になる娘が一人。
夫人にとって一番辛かったのは二人の幼い子供達に自分の病気について話してきかせることだったといいます。「お母さんは胸にしこりがあって、それはがんと呼ばれるもの。がんにはいろいろ種類があるが、中には非常にたちの悪いものもある。お母さんのは今に髪の毛が抜けてしまう種類」と説明すると「えっ、髪の毛が抜けるの」と大声をあげて無邪気に笑ったという。
でもこのように幼い子供達にもきちんと、いい加減ではない説明をする。これがアメリカの家庭教育なのでしょう。事実は事実として正確に子供にも伝える。私は自分の子供達にこんな風に言って聞かせなかった。ちょっとはずかしい。
アメリカでは40歳以上の女性は年一回のマンモグラフィー検査を受けることを勧奨されていますが、エドワーズ夫人は4年前の出産後一度も受けていなかった、もっと前に受けるべきだったと告白しています。放射線の専門医、ドクター・ワイスは、実際に夫人を診断したわけではないと前置きした上で、おそらく夫人の乳がんは既に腋下リンパ節に転移していて、深刻なケースのように思える、と意味慎重な発言をしています。術前化学療法の程度などから判断しての発言だと思われますが、こういう正直な所見を堂々と述べるというのもアメリカならではでしょう。
夫人は自分の好きな詩人、エミリー・ディッケンソンの詩を引用して自分の胸の内を語りました。「希望、それは羽根を持ったもの。希望は魂の中に宿る」私の下手な直訳で意味がさっぱり不鮮明。でも、そのあとに「希望を抱くことって、私たちの持って生まれたものの一部でしょう」と言っているので、人間どんなときも希望を捨ててはだめ、という意味だと解釈していいでしょう。
とにかく副大統領候補ともなれば半端なストレスではなかったでしょう。やはりストレスが彼女のがんの原因か。でも47歳で受けた「婦人科治療」というのも怪しいと思いませんか。女性ホルモンをどんどこ注入したのではないのかしら?