吉岡敏子(奈良代表)

 

日 時: 2024年10月27日(日) 13:30~16:30
会 場: 春日ホテル
講 師: ワット隆子会長
     小山拡史先生(市立奈良病院・乳腺外科部長)
     堀川典子先生(済生会中和病院・放射線科治療センター長)
     富永晴子技師
参 加: 47名(あけぼの会員29名・一般18名)

初めの挨拶で、私が、手術後【あけぼの会】に入会したきっかけと【あけぼの奈良】の30年間の歩みを話して、いつも会長は「私たちは不運だったけれど決して不幸ではない」と言われる、と話し、そのあと、【あけぼの奈良】の代表として30年の間に全国にがん友ができ、人生の後半が大変充実したものになった、と述べた。

第1部はワット会長による「乳がん患者と共に45年」から。

「同じ体験をした人と話がしたい」という思いから新聞に投書されたのが最初で、患者の社会復帰と乳がんの啓発活動を目的に会を引っ張って来られた。そして「がんのあと潔く生きる10か条」の10番目の「人生の主導権は自分が持つ」を強調された。

小山先生のお話は新薬の免疫チェックポイント阻害剤のキイトルーダやベージニオ、イブランス、エンハーツ等の素晴らしい効果と厳しい副作用、そして高価な薬代のことも詳しく説明があり、遺伝性乳がんのこと、転移・再発した場合の治療の考えかた、場合によっては完治もあり得る。患者は自分がこれからどうしていきたいのか、を考えること。私たちにとって不安を取り除く説明でした。

富永技師さんはマンモグラフィーと乳腺エコーのそれぞれ得意なこと不得意なことがある。どちらか一方に偏るのではなく、それぞれを上手く活用することが重要と説明された。

堀川先生は手術後の放射線のかけ方、温存療法でもリンパ節にいくつ転移があったかで変わってくること。今までは25回の照射だったが、最近は線量を多くして16回で終わること。また、局所再発や遠隔転移、骨転移、脳転移の放射線照射の方法。 また、足がしびれる、足が動かしにくいなどの症状が出る転移性脊髄圧迫になると、一刻も早く放射線治療をしないと1日で病状が進むこともあると説明された。

第2部のパネルディスカッションは、質問コーナーになった。質問の中には、抗がん剤の副作用にによる手足のしびれ。足のしびれで感覚が全くなく、釘を踏んで血が出ていても気が付かなかったというのがあった。何年経ってもなかなか消えない辛さ。先生も、これといった確実な方法がないようなお答えだった。最後に、ワット会長が出席者の中の5人の男性に参加の理由を尋ねてくださり、奥様を想う優しい気持ちが伝わってきて、会場がほんわか、あたたかくなった。

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