メダカ鉢に咲く睡蓮(2019/9)<br>撮影:菊井津多子メダカ鉢に咲く睡蓮(2019/9/1)
撮影:菊井津多子
 患者会活動の大きな柱の一つは情報発信と言えます。そして、もう一つは患者同士の交流ピアサポートです。乳がんに関する書籍はたくさん出ていますが、今年7月に日本乳癌学会が発行した「患者さんの為の乳がん診療ガイドライン2019年版」を情報源の書籍として、私は推薦したいと思います。3年ぶりの改定版。
 今回の改定ポイントは医師向けの『乳がん診療ガイドライン2018年版』と日本における診療の現状を反映した点だそうです。分野は9つ。原因と予防について 乳がん検診と診断の進め方 乳がんと診断されたら 初期治療を受けるにあたって初期治療後の診察と検査 再発・転移の治療について薬物療法について療養上の諸問題について 若年者の乳がん・男性乳がんについて。これらを「Q&A」形式でまとめ、特にAnswerの解説が専門的で且つわかりやすく、これ1冊を熟読すれば、どれだけの知識を得ることが出来るだろう、とその工夫された内容に感心しました。 

 その中で、治療ガイドライン委員会委員長の岩田広治先生は、「世の中はインターネット全盛の時代で、スマートフォンで”乳がん”と検索をすると情報があふれ出てきます。しかし気をつけてほしいのは、情報がすべて正しいとは限らないということです。特に皆さんの耳に心地よい情報こそ、いったん疑ってかかる姿勢が大切です。医療は日進月歩で10年前の常識は今は非常識というようなことも珍しくありません。我々はあなたが正しい情報(知識)を基に自分の生活基盤の中で最善の選択をしてほしいと願っています」とメッセージを載せておられます。

  そして、もう一つの情報源として「講演会」(特に患者会主催の)をお勧めします。あけぼの会は来たる10月5日に名古屋で全国大会を開催します(←クリック)。あと1カ月です! 先日、会場・名古屋市公会堂の下見に行きましたが、JR鶴舞駅前すぐなので、歩かなくても済むという有難い立地。そして何より講師には前述の岩田広治先生(愛知がんセンター)、渡辺亨先生(浜松オンコロジーセンター)、二村学先生(岐阜大学附属病院)と素晴らしい先生方が勢揃いです。
 講演とパネルディスカッション。特に後半のパネルディスカッションでは、講師陣、患者、そして会場のみなさん参加型で、医療をする側と受ける側・双方向のキャッチボール。この醍醐味は<あけぼの会全国大会>ならでは、と私は強く言いたいです。

 特に今、治療中のかたは、この機会に、最新の正しい情報を得て、ご自身の治療に役立てて頂きたい。そして、「私一人だけじゃない」という気持ちを実感していただけたらと思います。私が再発して初めて参加した22年前の<あけぼの会全国大会in東京・有楽町>で感じた「希望と勇気と一体感」をあなたもおみやげにして、これからの治療に、そして、日々の生活につなげていただきたいと願います。多くの方の参加を心からお待ちしております。   菊井津多子 kikui@crux.ocn.ne.jp

追記:10/5(土)ピンクリボンパーティは、満員御礼につき
申し込みを締め切りました。