天理教本部の枝垂れ桜<br>撮影:吉岡敏子(奈良)2020/3/24天理教教会本部の巨大枝垂れ桜
撮影:吉岡敏子(奈良)2020/3/24
2009年7月、自己検診でしこりに気がつき、乳がんとわかり、同年10月、左胸全摘、リンパ節郭清手術を受けました。病理の結果は、浸潤性小葉がん、リンパ節転移16個、皮膚や胸壁にがんが及んでいてステージⅢb、ホルモン受容体陽性、HER2陰性。術後すぐに、抗がん剤、放射線、ホルモン剤治療を開始。10年後の今もホルモン剤(アリミデックス)をのんでいますが、今年の秋には終わる予定です。

乳がんになる前は、至って平凡な生活を送っていましたが、ある時、母がすい臓がんで亡くなり、生活が一変しました。一人暮らしになった父を訪ねて実家へ行き来するようなりました。その母の死から4年目に私が乳がんに。「人生これで終わり? でもまだ生きたい。父より先には死ねない」の思いが強く、心の中で「Help Me!」と叫んでいました。

初期治療がほぼ終わった2010年12月【あけぼの会】に入会。病理の結果から「5年生存は無理だろう」と自分で決めていましたが、先輩のお話を聞き、少しずつ希望がわいてきました。あれから10年、再発転移もなく、生きています。私を救ってくれたすべての方々に感謝で一杯です。がんと共存し、悔やまず、前を向いて堂々と生きる。「病気に感謝せねば」と思えるようになりました。私たち夫婦は子供がいない分、健康で仲睦まじく長生きできればと思います。

10年一昔、私が治療を受けた頃と比べると治療方法や病院自体も変わってきています。当然です。でも、がん患者の苦しみ辛さは体験者でないとわからないときもあります。【あけぼの会】は、そのような患者の心の支えとなり寄り添い、生きる希望を持ってもらえるようなサポートをし続けたいと思います。

三重では1993年に【あけぼの会三重支部】が発足、その後27年間、ぶれることなく、乳がんの啓発活動(母の日キャンペーン)や社会復帰の手助けなど、患者会にふさわしい活動を続けて来ています。これも歴代の代表の方々の功績とワット前会長の「愛する心」の教えのおかげです。時代の流れと共に患者の求めるものも変わってきていますが、患者同士が交わることによって情報が集まり、知識が得られることは変わっていません。今後も、この繋がりを大切にして【あけぼの三重】を続けていきたいです。    加藤重子 akebonomie@gmail.com