今、日本中、最大の関心事は何と言っても‘新型コロナウィルス’。先日(1/28)かかりつけのクリニックへ定期診察に行ったときのこと。待合室で待っていると「昨夜から38度位の熱がある」という女性が来院しました。女性は中国広東省から遊びに来ているとのこと。それを耳にした受付カウンターの周りの人たちはざわつき、潮が引いたように一斉に奥に移動を始めました。中には「今日の診察はいいです」と病院から出て行く人も。女性は奥の部屋に案内されましたが、待合室のざわつきは収まらないまま。少しして、看護師さんが待合室へ来て「皆さん、先ほどの方はインフルエンザでした」と言ってくれたので「あ~」と安堵の声が漏れました。おかしなことに、インフルエンザで良かったということになりました。現在、中国では1週間で約1万人の感染が確認され、日本でも日々増え続けて、世界中で100人以上の感染が報告されています。1日も早い終息を願いたいですね。
遺伝性卵巣がん乳がんの予防切除
――卵巣がん予防切除175人 19年8月時点で 遺伝性患者――(朝日新聞2020/1/27より抜粋)
将来がんになるリスクを下げるため、遺伝性の乳がんや卵巣がんの患者が受ける予防切除。 がんになっていない乳房や卵管・卵巣をとる手術の数(速報値)が26日、わかった。
19年8月時点で乳房切除85人、卵管・卵巣は175人が受けた。日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構(理事長・中村清吾昭和大教授)が、BRCA1、BRCA2という遺伝子に変異があり、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)と診断された人を調べた。これらの変異がある女性が生涯で乳がんになる割合は40~90%と全体の9%より高く、卵巣がんになる確率も全体1%に対し、20~60%と高くなる。予防切除をすると、がんになりにくくなり、全体的な死亡リスクも減るとされている。
19年8月時点で、聖路加国際病院や昭和大病院など62施設で遺伝子検査をした3517人を分析。約20%の691人にBRCA1、2の変異があった。変異ありの約12%の85人が、予防切除をうけていた。卵巣がんのリスクを下げる卵管・卵巣の予防切除は、変異がある人の約25%の175人が受けていた。今回の調査では、適した治療法を選ぶための検査を受け、がんが遺伝性と判明する人が増えていた。中村理事長はこうした事例に対応できるよう「本人や家族へのカウンセリングを充実させなければならない」と話す。
「遺伝性と判明する人が増えてきた」と記事にもありましたが、私の友人も遺伝性の卵巣がんと判明。そこで、2人の娘さん達(未婚)にも遺伝子検査を受けさせたところ、確率が高い数値が出てしまい、現在、家族で遺伝カウンセリングを受けています。「何%の確率といっても、ならないかも知れないという気持ちから抜け出せない」と話す娘さんと「なる確率が高いのよ!」と説得する母親。私も相談に乗ったのですが、娘さん達にすぐに予防切除を勧めることもできませんでした。カウンセリングの先生も「すぐには答えは出せないから、検査などをこまめに受けながら、長い時間をかけて親子で話合いが必要ではないか、その間、母娘に寄り添っていく」という意見でした。母娘、どちらの言い分もわかるだけに、もうしばらく時間が必要だと思いました。(20年4月から遺伝子検査や予防切除を公的医療保険の対象にする方針が決まりましたが、この娘さんのようなケースには適用されないようです) 星野希代絵 kyeko@seikox.co.jp