菜の花畑と琵琶湖 はるか向こうに比良山(滋賀県)<br>撮影:渋谷幸子(滋賀)2020/2/7菜の花畑と琵琶湖 はるか向こうに比良山(滋賀県)
撮影:渋谷幸子(滋賀)2020/2/7
AYA世代(Adolescent and Young Adult;思春期・若年成人)が、1年間にがんと診断される数は15~19歳で約900例、20歳代で約4,200例、30歳代で約16,300例と推計。30歳代のがん種別順では女性の乳がんが1位です。(国立がん研究センターがん情報サービスより) 「第3期がん対策基本計画」小児がん、AYA世代のがん及び高齢者のがん対策が初めて謳われ、「AYA世代のがんの診療体制及び相談支援・就労支援体制の検討」とされました。 厚生労働省科学研究費補助金がん対策推進総合研究事業「総合的な思春期・若年成人(AYA)世代のがん対策のあり方に関する研究」では 全国14か所にAYA支援チームモデル施設←リンク があり、その一つが滋賀医科大学医学部附属病院。今年1月11日に滋賀県で〈公開セミナー〉「小児・AYA世代のがん患者を支える」が開催され、私はAYAの患者の立場で話をしました。

基調講演は研究班分担責任者である清水千佳子先生(国立国際医療研究センター・乳腺腫瘍内科診療科長)で、「AYAがんの取り組み:何が求められ、どこまで可能か?」をテーマに「がん体験は将来構想に影響を与え、ライフステージによってニーズの傾向が異なり、患者ごとのニーズは個別性が高い。医療従事者はAYAのニーズを十分に認識できていない可能性がある」と講演されました。また、「患者に活かしてもらえるシステム作り、継続していくためにthink out of box!(既成概念にとらわれず物事を考える)として、社会資源(患者、経験者、支援団体、行政)との連携やピアサポートについて」も話されました。

第一部で、私は「乳がん体験と患者目線のサポート活動~AYA世代で乳がんになって、ピアサポートに支えられて~」を発表。ピアサポートの必要性と可能性、そして限界について話し、「がん医療の中でのピアサポートの確立を望む」と話しました。(以下、話の内容です)
AYA世代のがん患者や家族は、がん告知、受容、治療、日常、そして未来はあるのか、などの不安があるが、自分のがんを比較的早期に発見したか否かで不安の度合いが違うように思う。
情報はいつでもどんなことでもネットから得られるが、正しい情報で辿り着くことの重要性と難しさを感じる。又、ネットという媒体を通した共感は一方向で、「がん患者サロン」のような双方向の共感、そして温もりを感じることは難しいのではないだろうか。
ピアサポートの場は精神的サポートと患者力をアップできる場。がん患者、家族の自立の場になり得るのではないか。特に、再発患者にとって、ピアサポートでの出会い、情報交換は貴重で、必要性を強く感じる。ただ、がんの状態も人生感も一人一人違うので、「ピアサポート」に限界を感じる。
がん医療の中でピアサポートに対する医療者の理解を感じる場面も増えてきている。これからも更なる確立を望み、この活動をブラッシュアップさせていきたいと思う。

この会に参加して、個人的に【あけぼの会】の副会長の一人として、やるべきことは何か?と考えさせられ、いろいろ数多くの課題が浮かんできました。次の機会にぜひ皆さんと一緒に考えたいと思います。
来年度から【あけぼの滋賀】は〈あけぼのハウス〉に定期的にAYAの集いを設けることになりました。第1回を5月7日(木)13時~15時、会場は大津市市民活動センターで開催します。←リンク
(ご参考のため:AYA世代がん患者家族向けの冊子「AYA」←リンク