(75)続けるべきか続けざるべきか、それが問題だ に対してご意見いただきましたので掲載します。
――山形在住、後藤栖子さんからの便り――
ワット会長の連載75回拝読しました。
「抗がん剤の問題」同感です。
私は両側乳がんなのですが、1度目右側のがんの方がでっかくてあぶなかったのに、二度目の左側1センチにも満たない方が再発しました。自分の体験から考えて、がんの中に早い遅い、大きい小さいなどとは関係なく、再発するものはする、しないものはしない、というように二分されるような気がします。
抗がん剤はとても辛い。その辛い薬を打たれて青菜に塩になるよりも、やめた方が、いい日常生活が送れますよね。薬は100パーセント効くことはないのですから。
私も二度目の再発の時は、抗がん剤を打たないで、アリミデックスだけ飲んで胸水がふたたび噴きだすか否か、一ヶ月くらい様子をみればよかったと思っています。もし、それで胸水がとまったとしたら、抗がん剤の副作用に苦しむことはなかったのです。悔いています。
あとでいろいろな体験談を読むと、再発してホルモン剤だけで過ごしている人がいるのです。よしんば、後日抗がん剤を使うことになったとしても、質のいい命を伸ばしたことになったと思います。
つい最近のこと、大腸がんの末期を告げられ、余命3ヶ月といわれた70才の女性が入院を拒否し治療をしないで、自宅で1年6ヶ月生きた実話を聞きました。死の前日まで杖をついて自分でトイレに行ったそうです。私の知人のお姉さんです。その話をきいて、思わず拍手をしてしまいました。一般的には医師の態度がよくないんですね。
『友よ、同士よ、自分の治療方針は自分で考えよう 』 といいたいです。苦しい命のつづきの果てに死んでいくか、あるいは短くなったとしてもいい命を紡んで逝くか、そのひとの人生観でしょうけど、それが明確であれば、治療方針もおのずと決まってくるのではないでしょうか。
後藤栖子