「バルセロナの伴田厚子です。ご無沙汰いたしておりますが覚えておられるでしょうか?新年のワット家のお写真拝見いたしました。私は昨日、日本からこちらに帰って来ました。昨年は年の半分を日本で過ごし、半分は日本からのお客(親戚&友達達)の世話で過ぎてしまいました。この3月半ばで主人の滞在5年を終えて、日本に本帰国と決まりました。いつも心配しつつ会長様のロンドン便りを拝読しておりますが、御主人様の安定なさっておられる時期&私がバルセロナに居てかつ会長様がロンドンにおられる時期にスペイン料理をご一緒にとお誘いしたいと思いつつ今日まで延び延びになってしまいました。
1月18日がお誕生日とのこと。私は1月27日です。美味しいスペイン料理とワインでひと時のお祝いをいたしましょう。ロンドンからですとひとっ飛び、思い切っていらっしゃいませんか?空港までお迎えに参りますので、すぐにでもお嬢さんか息子さんにインターネットでチケットを手配していただいてくださいませ。2泊くらいなら介護チームもお許し下さると思います。今は主人と2人ですが、18日から娘が引越しの手伝いに1ヶ月半来ます。主人もどうぞどうぞと言っております。ではでは取り急ぎ。お待ちいたしております」
それはまさに‘夢の招待状’だった。そういえば、スペイン在住の伴田さんという会員がいて、前にも一度お誘いを受けていたのを、日にちが合わなくて行けなかったことを思い出した。私の好きなバルセロナ?行きますよ、行きますとも。とすれば今すぐ、でないと私の帰国も17日に迫っていて、あと1週間しかない。娘に相談するとすぐに格安チケットをインターネットで調べてくれた。往復133ポンド、約3万円。easyJetという会社でヨーロッパ内をバス感覚で飛行している。乗り物だけで、水いっぱい出さない代わりに安い。
新幹線で東京から大阪の値段でしょ、スペインまで一丁行ってくるか、どうせここにいても変わり映えしない日々、それに前日から風邪を引いていて、今日は一日寝るからね、なんて言っていた。それがスペインと聞いただけで、すっかり治ってしまった。今、決断の時、急に体がふるえて希望の力が噴出してきた。「行くとすれば明日ですが、いいでしょうか、それと3泊泊めてもらえますか」とずうずうしくも聞いてみる。すると、すぐに「もちろん、今週末でいいですとも。思い立ったら勢いで動かないと。会長様は何事も決断力がすばらしい(そうでないとあけぼの会をここまで引っ張ってこれません)です」
で、決まって、なんとみなさん、土曜から火曜まで3泊4日でバルセロナまで行って来た。
伴田さんちに泊めてもらって (実は伴田さんは私の顔を知っているけど、私は彼女を知らない)、おいしいスペイン料理堪能して、ガウディのサグラダファミリアにも登って、あったかいスペイン太陽にも浴びて来ました。
これが天からの贈り物でなくてなんだろう。
苦あればこんな幸せもある。
伴田さん、ありがとう。
あなたのやさしさがうれしかった。
痛む傷に当てる柔らかいガーゼのように、あなたの気持ちが私を癒してくれました。
決断も早かったけど、あなたの招待メールは真実味に溢れていた。「主人もどうぞどうぞと言ってます」こんな心が見えるような文章をいつも書きたいと思っている。真にこの世はまごころ。