もし、私がもう一度人生を生き直せるとしたなら、 (If I had my life to live over・・・)

・私は自分のおしゃべりを控えて、その分、人の話に耳を傾けたでしょう。

・カーペットに沁みがあっても、ソファが日焼けしていても、そんなこと構わずにもっと友だちをディナーに招待したでしょう。

・私はポプコーンでもお客さん用のきれいな客間でぽりぽり食べて、誰かが客間の暖炉に火を燃やしたいと言っても、汚れることなんかあれほど気にしなかったでしょう。

・私のおじいさんが若い頃の思い出を口の中でもごもご言うのを、もっと時間を割いて聴いてあげたでしょう。

・暑い夏の日に、車に乗っていて、髪をセットしたばかりなので、ウインドーを閉めてちょうだい、なんて決して言わなかったでしょう。

・ピンクのろうそくを、物置の中に放置して溶かしてしまう前に、バラの花のようにあかあかと燃やしたでしょう。

・芝生が傷むのを気にしたりせず、いくらでも子供たちと芝生の上に座ったことでしょう。

・テレビを見ていて、笑ったり泣いたりするよりは、もっと生の人生を見て、泣いたり笑ったりしたでしょう。

・夫が背負っている責任を、もっと分けて、自分でも受け持ったでしょう。

・どんなに具合が悪いときでも、自分がそこにいなければ地球が破滅してしまう、といって無理して出て行ったりしないで、さっさとベッドに入って休んだでしょう。

・妊娠9ヶ月間のあとの喜びを想像する代わりに、いっときいっときを慈しんで、自分の胎内で成育している不思議こそ、人生においてたった一度だけ神が起こす奇蹟を人間が手助けしているのだということに気付いたでしょう。

・子供たちが突然理由もなく私にキスをしても「あとであとで。さあ、行って手を洗ってきて。ディナーだから」なんて言わなかったでしょう。

・もっともっと多くの「I love you」と「I am sorry・ごめんね」を言ったでしょう。でもそれよりも何よりも、もし私がもう一度生き直せるチャンスを与えられたなら、私は瞬間瞬間を掴まえて離さず、その瞬間を見つめ、本当によく見つめて、その瞬間を生きて、全部自分の物にしたでしょう。

 これは1996年に亡くなった、アメリカの有名な女性コラムニスト、エルマ ボムベック(Erma Bombeck)という人が、自分のがんが発見されたときに書いたものです。2005年、新年のはじめに、あなたに捧げます。

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