昨日5月18日(土)「中日新聞」の朝刊にて【乳がん新薬3人死亡 「ベージニオ」副作用か重い肺疾患】と大きな見出しの記事があり、驚きました。記事を引用します。
「厚生労働省は17日、昨年11月から今年5月にかけて、乳がん治療薬「ベージニオ」を投与された14人が重い間質性肺疾患を発症し、うち3人が死亡したと発表した。死亡した1人を含む少なくとも4人は薬の副作用と見られる。同省は製造販売会社に対し、使用時に注意するよう医療関係者に呼びかける「安全性速報」を出すよう指示した。 *「ベージニオ」は昨年9月に承認された新薬。日本イーライリリー(神戸市)が製造販売する飲み薬。手術ができないか、再発した特定の乳がん患者が対象。 昨年11月より販売開始後の使用患者数は推定で2000人とされる。 特に自宅で使用する患者が息切れ、空せきなどの症状が出たら医師に相談するように。 50代女性が、この新薬をのみ始めて37日目に自室で苦しんでいるところを救急搬送、間質性肺炎と診断され、1週間後間質性肺炎と低酸素脳症で死亡した」――引用終わり。
新薬で必ず効果があると期待して乳がん治療していたはずなのに、飲み始めて1か月足らずで副作用で違う病気が発症して亡くなるなんて、ありえるのか?また、症状が出たらすぐに医師に相談と掲載されているが、症状が出てからでは遅いのではないか、この50代の患者は症状が出て救急搬送されても助からなかった。
病院内での服用であれば、何か異変があったとき何とかなるかもしれないが、自宅で飲み薬となると、この患者のように助からないかもしれない。新薬で効くと言われて、患者はその新薬を本当に信用して飲んでもいいものか、大いに疑問になってくる。
再発しているからこそ、“藁にもすがる気持ち”で新薬に賭けたいという思いは消せないと思う。主治医と相談しても恐らく、薬を飲む・飲まないの決定は患者がしなければならない。そういう時代になっている。私だったらどうするか?
前回の巻頭で「新薬は患者の生きる希望―治験に参加して」の中で内藤さんは「新薬の発売は、患者の生きる希望に繋がります。新薬を待ちわびている方もいます。ですから、迅速な承認が望まれます」と書いてありました。
そして、あけぼの会ではワット(元)会長が ≪全国の皆さん、緊急募集!あなたの声をお寄せください≫ と呼びかけています。私自身、先生方は、今後、この問題の新薬 「ベージニオ」を使うに当たって、患者にどのように対応していくのかを聞きたい。と同時に、患者が生きるためには、新薬治療をどのように選択し決定していけばいいのかを教えてほしいと思います。
皆さんも 私のような心の中のモヤモヤを是非、患者の声として届けて下さい。 橋渡智美 hashido@gifu.email.ne.jp
補足:今日(5/19)、山口の〈あけぼのハウス〉にベージニオで治療中のかた(ステージⅣ)が来られました。 「このニュースのことは知っているけど、私はこれまで通り治療を続けます」と言っていました。医師からきちんと効果とリスクの説明をしていただいた上で、患者が意思決定をすることになるのでしょうか。難しいですね。 (和崎・あけぼの山口代表)