我が家の庭を彩るツツジ<br>撮影:橋渡智美(2019/6/5)我が家の庭を彩るツツジ
撮影:橋渡(2019/6/5)

「中日新聞」(5/30 付け)朝刊の記事をご紹介します(一部分省略)
 【がんゲノム医療 保険適用 ~来月 治療効かぬ人に最適薬~】
厚労省は29日、がん患者の遺伝子変異を調べ最適な薬を選ぶ「がんゲノム医療」(1)用の検査について、公的医療保険の適用を決めた。中央社会保険医療協議会に提案し、了承を得た。既存の治療法が効かない人などが対象。国が主導する新たな医療が本格化する。6月1日から保険が使える見通しだ。検査に必要なシステムは国立がん研究センターとシスメックス(神戸市)が開発した「NCCオンコパネル」と米企業が開発し中外製薬(東京都)が販売する「ファウンデーションワン」。いずれも一度に百種類以上の遺伝子を調べることができる。厚労省が昨年12月に国内販売を承認した。研究センターにかかる価格はともに56万円。保険適用で患者の自己負担は1~3割で済む。月ごとの負担に上限を設ける高額療養費制度を利用すれば、負担はさらに抑えられる。対象は固形がん(血液がん以外のがん)のうち、手術や抗がん剤での治療が効かなかった人や、治療法がない希少がんや小児がんなどの患者。がんゲノム医療を提供する各地の中核拠点病院(2)156カ所で患者からがん組織などを採取。専門家らが効果の見込める薬がないか検討し、主治医を通じて患者に提案する。ただ、最適な薬が見つかるのは1~2割、中医協では「保険適用は時期尚早ではないか」と疑問視する声も出た。又厚労省は患者の同意が得られた場合、匿名化した検査結果を「国立がん研究センター」に提出することを求める。情報を集約し新たな治療法開発に繋げる狙い。(アンダーラインと色は私が付けています)
(1)がんゲノム医療の流れ①がん組織や血液を採取 ②がん原因の遺伝子変異を調査 ③専門家が使えそうな薬があるか協議④治療を試みる
(2)北海道大病院(札幌市)・東北大病院(仙台市)・国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)・慶応大病院、東京大病院、国立がん研究センター中央病院(東京都)・名古屋大病院(名古屋市)・京都大病院(京都市)・大阪大病院(大阪府吹田市)・岡山大病院(岡山市)・九州大病院(福岡市)

(私の意見)「がんゲノム医療」に大きな期待をかけられる一方、課題も多くあると思います。一つは検査を受けたとしても新しい治療薬が使えるとは限らないこと。がん特有の様々な遺伝子の特徴が分かってきていますが、薬の開発が追いついていない現状では、検査をしても対応する薬がない場合もあるのではないか?また、対応する薬が見つかったとしても、国内で未承認であれば治療費が高額になります。治療が効かない患者こそ、早目の対応が迫られるのに検査には2~3週間かかり、その結果を基に薬を探して治療を始めるには更に時間が必要となります。がんが進行したり、体の状態が悪くなると、折角見つかった治療が受けられなくなってしまいます。
患者会の代表として「自分は遺伝子検査を受ける事ができるのか」という問い合わせがあった時、答えるには内容が専門的過ぎて、難しい面があります。大きな病院だけでなく、地域の拠点病院などに相談できる体制を充実させてほしいです。加えて、患者が混乱しないような支援体制の整備が必要だと思います。(【あけぼの岐阜】では、6月14日より市立恵那病院(岐阜県恵那市)にてがん患者サロンを新規開設します。東濃地方では初めての開設です。お気軽にお越しください。詳しくはあけぼの会HP←クリックをご覧ください)    橋渡智美 hashido@gifu.email.ne.jp