一番山笠・千代流の表「延寿万歳景雲興」<br>新時代への祝意と平和を願う気持ちを表現<br>撮影:深野百合子(2019/7/3)一番山笠・千代流の表「延寿万歳景雲興」
撮影:深野百合子(2019/7/3)

 「年金だけでは足りず、老後の生活資金約2000万円の自己資産が必要になる」、「10月1日より消費税が10%に上がる」など、お金に関する厳しい現実が話題となっていますね。
 がんになっても毎日の生活は続きます。乳がん患者は、5年10年と長期の補助療法や再発治療など、想像以上のお金がかかります。それで、「がんの治療と仕事の両立」を強く望む人が多くなっていると実感しています。
 働くことは、単に生活費、治療費のためだけでなく、仕事に復帰することで、社会復帰がスムースにできて、これが、がん治療の心の支えとなっている人も多いと思います。

 ただ、多くの人は、がんになって初めて症状や治療方法について知り、自身の仕事への影響が予測できないと思います。がん患者の就労に関する実態調査(「朝日新聞」2019/2/27付け)を紹介します。
『診断時に働いていた人の3分の1から4分の1が離職している。やめる時期で多いのが診断直後から治療が始まるまで。いわゆる「びっくり離職」とも言われ約4割を占める。もう一つは復職した後。頑張って復職したが、様々なハードルがあり、続かなかったという場合だ』(高橋 都さん・国立がん研究センターがん対策情報センター、がんサバイバーシップ支援部長)
 高橋先生の研究グループでは、就労継続、職場復帰を支援するため、「患者さんのための がん治療による症状で困ったときの職場での対応ヒント集-がん体験者の工夫に学ぶ-」の冊子を発行。ホームページからダウンロードができます。 (https://www.ncc.go.jp/jp/cis/divisions/05survivor/index.html

 「がんと言われて仕事を辞めた、再就職したいが見つからない、あけぼの会では、就労支援をされているか?」との相談が最近ありました。会としては、就労支援は出来ませんが、上記の冊子のことやがん診療連携拠点病院のがん相談支援センターを紹介しました。例えば、九州がんセンターには、「社会保険労務士による就労相談」、「ハローワーク福岡中央による出張就職支援」などの就労支援体制が整っていることを伝えました。

 がんになっても治療をしながら、今までと同じ職場で普通に働き、自分らしく生活できるような社会となってほしいと思います。  深野百合子  akebonofukuoka@gmail.com

※博多祇園山笠(ユネスコ無形文化遺産)←クリック
福岡県福岡市博多区で毎年7月1日から15日にかけて開催される700年以上の伝統のある祭。
博多どんたくとともに、博多を代表する祭りである。