●去る9月18日、「埼玉乳がん検診検討会」に参加してきました。これは県下の乳がん専門医・放射線科医、技師さん、がん認定看護師、保健婦さんと患者2名からなる50人を超えるメンバーです。毎回、参加は30~40人くらいで行われています。私も、矢形 寛先生※(埼玉医科大学総合医療センターブレストケア科教授、診療部長・乳腺外科、外科指導医・専門医)から、患者として医療者側に意見を聞かせてほしいとのことで、〈熊谷ピンクリボン〉の栗原さんと2人で初めから参加していました。
※誠に悲しいお知らせですが、この会の発起人のお一人、矢形先生が丁度1週間前にご逝去されました。非常に悪性度の高い稀なタイプの悪性リンパ腫とのことで、7月の骨髄幹細胞移植を目標に闘っていたのですが、移植には到達できず、9月11日満55歳で永眠されました。埼玉・会員一同、心よりご冥福をお祈りいたします。(先生は今年3月9日、大宮で「埼玉講演会」で講演をされ、質問コーナーでは会場からの30を超える質問一つ一つに、きめ細かに、お元気に、答えてくださったのでした。病気が判ったのは翌4月でした)
●この日は、先生のご遺志となってしまったこの会を存続させるために、これからも全員で力を合わせよう、と決め、いつも通り、勉強会もしてきました。(始まりが19時、と遅いのが難ですが、先生方とのつながりもできるので、続けなくてはと思ってます)矢形先生が患者会と医療者の懸け橋を作ってくださったのだと、あらためて、先生のご勇断に感謝の気持ちでいっぱいでした。先生との出会いは先回この欄で取り上げられた「高濃度乳房」が話題になった2017年、「検診の受診者が自分が高濃度乳房かどうかを分かるようなシステムを作ることが大事ではないでしょうか?」と私が言ったら、先生も「高濃度乳房については、考えなくてはいけないね・・・」と真面目に答えてくださった時でした。
●その後しばらくすると、先生から「埼玉乳がん検診検討会」(←クリック)を立ち上げたので、メンバーに入ってほしいとの連絡がありました。どんなメンバーで何をするかもわからなかったのですが、先生のお誘いをありがたいと思い、第1回会合に行き、その場でメンバーになり、頼まれて、世話人になりました。具体的には検診結果を、受診者にどのように知らせするか、どんなリーフレットを作るかなど検討し、「患者にはわかりにくい言葉は誰もがわかる言葉に直し、挿し絵などを入れ、気軽に手に取ってみたいと思うようなものにしては」など提案しました。医療者と患者がそれぞれ自由に発言できる場でした。18日には検討会で作った「検診結果の見方」のリーフレットがさいたま市で採用されると報告がありました。
●矢形先生のお蔭で、医療者の会合に患者代表が参加して意見を言うことができることをとてもありがたく思います。行政への提言なども、一緒(医療者と患者の立場から)にしています。【あけぼの埼玉】代表として、今、がん教育や、がん患者の就労支援事業の一環の〈がんワンストップ〉などの相談員をしたり、保健所での啓発講演会、大学の緩和ケア授業の手伝いなど、会員も連れて活動をしています。そんな活動から医療者が【あけぼの会】を患者さんに勧めて下さったりして、【あけぼの埼玉】の応援団が増えてきているように感じています。 持田豊子 akebonosaitama.net@gmail.com