降っては降っては、ずんずん積もる♪<br>撮影:山本康代(北海道)2019/12/22降っては降っては、ずんずん積もる♪
撮影:山本康代(北海道)2019/12/22
日 時:12月11日
学校名:滋賀県立八幡商業高校
人 数:750名

 私は県のがん教育専門部会の委員をしていますが、同委員の県立八幡商業高校の擁護教諭の先生からお声がかかりました。この高校は県内で唯一がん教育を行っている高校で、昨年は拠点病院の医師と相談支援センターの方が話されましたが、今年はがん患者本人からの話をということでお受けしました。創立130年の歴史ある高校で、全校生徒750名と先生たちを前にしてとても緊張しました。
  先ず、自己紹介-がん体験-再発-「いのち」の終わりと向き合う-ピアサポートとがん患者サロンの紹介-がん早期発見の大切さ・がん検診の勧め、最後にメッセージを読みました。我が子に対する母の思い、命と自身を見つめることの大切さについて考える機会にしてほしいと思いました。また、2016年全国がん登録滋賀県のデータより(←クリック)、がん発見の経緯と進行度をグラフで示し、乳がんや子宮頸がんは無症状のうちに発見されると初期で、生存率も高いので、がん検診の重要性を伝えました。

最後に読んだ≪メッセージ≫(抜粋)
 私は今までに何人かのがんの友達を見送りました。年配の方からまだ20歳代の若い方まで。がんになったあと、生きたいと願って、辛い治療にも必死で耐えたけど、結局助からなかった命、そんな命があることを皆さんに知ってほしいのです。皆さんの命はお父さんお母さんから頂いた尊いものです。気がついていたでしょうか?高校生の皆さんは、人生はこれからなので、生きていて当たり前、明日があるのも当たり前と思っているでしょう。私もそうでした。
 皆さんは、簡単に「死」という言葉を使ったりしないと思いますが、今日私の話を聞いて、命の大切さを感じ、命を大切にすることを約束してくれたら、私はうれしいです。
 私が「がん再発」から這い上がれたのは、医療はもちろんですが、患者会で気持ちをわかってくれる仲間がいたからでした。がんになったのは辛かったし悔しかったですが、心が通じる仲間と出会えたことは私の宝物です。 相手を思いやる気持ちは何より大切です。お互い分かり合えれば、どんなこともきっと乗り越えられます。自分を信じて、一度きりのあなたの人生をあなたらしく生きてください。皆さんの中にはご両親、おじいちゃん、おばあちゃん、お友達の誰かががんの治療をされている方もいらっしゃると思います。言葉かけもうれしいですが、行って、あなたのお顔を見せてあげてください。きっと喜ばれるでしょう。(抜粋終わり)

 生徒達には事前アンケートがなされ、結果、授業には出たくないという生徒が数名いたそうです。がん教育を担当されている先生は「これからこのような子供たちにしっかり寄り添っていきたい」と話されていました。 二人に一人ががんになる時代です。この学校のように高校生を対象にしたがん教育が全国的に進んでいくことを願っています。   菊井津多子 kikui@crux.ocn.ne.jp

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