自宅(中津川市)の窓から、うっすら冠雪した恵那山が見えます<br>(撮影:橋渡智美 2019/12)   自宅(中津川市)の窓から、うっすら冠雪した恵那山が見えます
(撮影:橋渡智美 2019/12)
 2020年の幕明けです。途端に今日(1/4)「中日新聞」朝刊にこんな記事が出ていました。(一部抜粋)
専門家上回る グーグル【乳がんAI識別】
 米グーグルは2日までに、乳がん検診で使われるマンモグラフィー(乳房エックス線撮影)の画像で、人工知能(AI)のシステムが専門家より高い精度で乳がんを識別できたと発表した。将来的に医師による乳がんの早期発見を支援したい考えだ。アメリカでは人である医師ではなく、人工知能(AI)=知的行動を人間に代わってコンピューターに行わせる技術との協働作業が進んでいくようです。

 また、昨年(2019/12/13)同じく「中日新聞」朝刊にこのような記事がありました。(一部抜粋)
【遺伝性の乳・卵巣がん患者 予防切除に保険適用】
 遺伝性の乳がんや卵巣がんを発症した患者が、新たながんを防ぐために健康な状態の乳房等を予防的に切除する手術について、厚生労働省は、公的医療保険の適用対象とすることを決めた、中央社会保険医療協議会に提案し、了承を得た。来年4月(注、今年4月)から適用する。予防切除によって新たな発症や死亡リスクが低下することが分かり、手術を受ける人が増加。費用が数十万円と高額なことから、学会や患者が保険適用を求めていた。生まれつき遺伝子に変異がある為に乳がんや卵巣がんのリスクが高くなる『遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)』の患者さんが対象。乳がんや卵巣がんを発症した患者がHBOCと診断され、手術を受ける場合に保険適用する。・・・日本乳癌学会の診療指針は、HBOCの女性の乳房にがんが見つかった場合、リスクを下げる為に発症していない方の乳房を切除する手術を[推奨する]としている。

2020.1.1今年も綺麗 元旦、神戸須磨区の旗振山に初日の出を拝みに山歩きしてました。お天気が良く、大阪の金剛山と葛城山の間に昇ってきた太陽があまりにも綺麗だったのでその写真を送ります。
有本幸代(兵庫)2020.1.1
 乳がんや卵巣がんは遺伝する病気ではありませんが、遺伝的な要因がはっきりしていて親から子に遺伝する「遺伝性のがん」であることも事実です。「遺伝性のがん」は全体の約10%を占めると言われています。
 私自身、この記事を読んで、「えっ、こんなに早くHBOC患者に認可されるとは?」と正直驚きました、昨年あたりからどの講演の中にも「HBOC」が出てくるので、この言葉を知らない乳がん患者はいないのではと思います。2013年にあのアンジェリーナ・ジョリーさんが受けた手術が話題になり、その当時、乳腺専門医の先生方が講演の中にいつも話しが出ていた記憶があります。しかしながら、このアンジェリーナさんのような発症していない人が予防切除する手術は対象になりません。

 新たながんを予防することを目的として対側乳房切除や卵巣・卵管切除を行うことに保険適用されるようになったことは、いい事だと思います。乳がん発症リスクが軽減され、結果として、生存率向上効果があるはずです。但し本人の意思に基づき、遺伝カウンセリング体制の環境が整備されているなど、条件がきちんと整っての実施を望みます。
BRCA検査・治療・フォローがすべて保険適用となり、一気に前進したことはまぎれもない事実だと驚いています。  橋渡智美hashido@gifu.email.ne.jp