気持ちに寄り添ってくださった俵矢先生(3段目、左から2人目)気持ちに寄り添ってくださった俵矢先生(3段目、左から2人目)3月13日(日)午後、今年度2回目の【あけぼの神奈川】医療講演会を行いました。講師は横浜栄共済病院・乳腺甲状腺外科部長の俵矢香苗先生、参加者は31名。「会場開催なら参加」という方が数名いらしたので残念でしたが、オンラインでの開催で、遠隔地からの参加も数名ありました。 

今回の講演会は、最近の乳がん治療は個別化が進み、薬剤も数多く、遺伝子を調べて行う治療も保険で行われるようになって、とても複雑になってきているので、告知を受けたばかりの方には理解しにくいことも多いと思ったことと、相談を受けるピアサポーターも自分の治療以外はよくわからないこともあったりするので、基礎を復習、確認していただくと良いかなと思い、企画いたしました。

まず基礎的な治療の流れについてのお話、①乳がんの進行状況(病期、画像検査)②乳がんの性質(サブタイプ、針生検や手術検体の病理検査)③患者本人の状況(持病、年齢、遺伝学的検査、社会状況、希望)を調べ、治療していくことを説明していただきました。

「最新情報」としては最近使われるようになった新薬について、そして〈オンコタイプDX〉についての詳しい解説。CDK4/6阻害剤のイブランスベージニオについては作用機序や使い分けなど、また再発治療で使われるようになっているキイトルーダリムパーザが術後治療としての使用も検討されていることなどを伺いました。

「質問会」では〈遺伝子パネル検査〉についての質問もありました。将来はパネル検査で先ず遺伝子を調べて治療を決めるようになる日が来るかもしれないとのことです。現在、保険診療では標準治療を終了した患者がパネル検査を受けられることになっていますが、4月から神奈川県立がんセンターでは医療機関を通してですが、パネル検査を治療の初期段階からでも自費(38万円)で受けられるそうで、それも紹介しました。 

他にもいろいろ質問が出ましたが、先生は「悩みますよね~」と患者の気持ちを考えて丁寧に答えてくださいました。ドクターも悩みながら治療選択をしているそうです。後半の先生を囲んでの少人数のグループトークも、「飾らないお人柄で気さくにお話していただいた」「質問しやすかった」と、好評でした。俵矢先生、本当にありがとうございました。

J-CIP神奈川のHPに【あけぼの神奈川】の紹介が掲載されました。
http://jacr.info/j-cip/kanagawa/2020/02/03/j-cip_kanagawa/ 
かながわ乳がん市民フォーラムのホームページが出来ました。
http://bccf.html.xdomain.jp/ 

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