明日に向かって咲く<br>(前田こずえ 2023/ 7月)明日に向かって咲く
(前田こずえ 2023/ 7月)
全国のみなさん、こんにちは!

 口を開けば「暑い!」、聞き飽きましたね。でも毎日本当に暑い。私は朝5:30に家を出て、世田谷公園まで歩いて、公園の外廻り1キロと半分を歩いて、ラジオ体操をして帰るのですが、早朝から28度もあって、ようやく歩いている。気温より湿度のせいで苦しくなる。

さて、みなさん、9/24の45周年記念大会のプログラムを見ていただきましたか? 講師の先生がたのお話が楽しみですね。そのあとのパネルディスカッションですが、今回、何をテーマにしたいか、ずっと考えていて、やっと決まりました。「がん患者の真の思い」、心底の思い、と言った方が当たっている。再発して闘病中の人たちの思いを医療者と私たち(同病でも再発していない)周囲の人たちがどこまでわかっているのか、あげられるのか。

昨年から今年にかけて3回ほど、電話をくれたある会員さんは脳に転移がわかって、先日手術を終えて、今は退院している。10年も前に乳がんの手術を終え、その時はごく初期で、温存手術で済んでいたので、まさかこのような展開になるとは想像もしなかった。主治医に脳転移を見つけてもらえなかったので、別の病院に代わりたかったが、脳なので、遠い病院へは一人で通うのが大変なので、元の病院に戻って、今は主治医とよい関係にある。

耳の後ろあたりと、あと1か所にガンマーナイフを当てた?(私はちゃんと理解していない)。結果、がんが消えてしまった、先生も勿論本人も大喜びしている。ただ脳をいじっているので、平衡感覚が戻らず、少しよろめく・・とか、いろいろ聞いたのですが、うまく説明が出来ない。私が言いたいのは、これだけのことをしないと生きられないがん患者の悲痛のこと。肺や肝臓とかに転移した人たちも同じように抗がん剤の副作用に苦しんでいる。

「我慢してクリアすれば完治で、あとは何も考えなくてもいい」と言ってもらえるわけではない。現実に起きている身体的苦痛(下痢、嘔吐、頭痛とか)だけでなく、命の確約がない精神的不安、これを誰がどこまでわかってあげられるのか、外から見てもわからないから、誰もおんなじには感じてあげられない。結局、重しのような不安の固まりを一人で抱えたまま、一日一日を過ごしている。気の毒、という言い方はよくないが、実に気の毒なのだ。

あけぼの会は今年で45年、長い年月、患者の気持ちを一番よくわかる患者同士の活動をして来て、折あるごとに医療者に患者の声を届けることをしてきた。果たして十分だったのだろうか。まだまだ患者の、特に闘病中の患者の思いを心からわかってはいなくて、医療者にも十分伝えていなかった、という自責の念に駆られている。だから、今年は壇上で、先生方にこの究極の、胸が千切れるような患者の痛みをぶつけて、医療者側は何が出来るのか、を単刀直入に聞いてみたいと思っている。みなさんも来て、一緒に応援してください。

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