日時: 4月27日(水)オンライン収録
会場: 埼玉医科大学
対象: 看護学部2年生86名
テーマ:「病むことの心理」
今年度もコロナ禍のため、事前オンライン収録になりました。持田豊子さんと2人で収録に臨みました。
授業は次のように進められました。
①グループに分かれて乳がんに関する基礎知識を学ぶ。
②体験者の話を聴く。
③②の話を聴いた上で、グループ討議を行い、結果をパワーポイントにまとめて発表。
持田さんと私は②の部分でお話しさせていただきました。
まず、私があけぼの埼玉の主な活動と自分の乳がん体験をお話ししました。
その後、故安田則子さんの乳がん体験を転移治療、高額医療費の話を中心にお話ししました。また厳しい治療の中で主治医との信頼関係を築き、看護師さんをはじめとする病院スタッフの支えや励ましを受けたこと、患者会に積極的に関わり、最期まで患者の声を届け続けたことをお話ししました。
その後、持田さんが、自身の乳がん体験から、患者の気持ちと家族の思い、周りの人との関わり、医療従事者へ望むこと、正しい医療情報の見分け方、患者会の役割などをお話ししました。
2020年度の安田さんの講演オンライン収録時にも立ち会い、授業を担当されていた大賀淳子先生が、安田さんの話になると涙を流しながら聴いてくださいました。
事前収録なので、その場では学生さんの反応はわかりませんでしたが、安田さんのそして私達の思いは伝わったと思います。
③のグループ討議のパワーポイントの資料が先月送られてきました。
乳がん患者の4つの痛みがテーマで、「身体的苦痛」「精神的苦痛」「社会的苦痛」「スピリチュアルペイン」について、私たちの話を各項目に当てはめ、討議されました。
看護師の役割について学生さん一人一人が真剣に考え、各グループで話し合った様子が、資料から伝わってきました。
あけぼの埼玉 代表 大久保 真弓 akebonosaitama.net@gmail.com
【参加者からの感想】
パワーポイント資料「まとめ」から抜粋いたします。
•安田さんは薬と副作用を考慮して、どれが自分に適しているか考えていた。その人が望む生き方を選択できる環境を作る必要がある。
•患者の立場に立った思いやりのある言動や行動を心がける。
•看護師は患者さんにとって一番身近な医療従事者であるため、患者さんの些細な変化に気づく心掛けをすることが大切。
•がんは、考え方次第で患者の心を開くことも、閉ざすことにもなり得る。病状も考え方も患者一人一人違うため、どう寄り添うかが重要である。
•看護師は患者さんの精神的な支えになる役割を担う。患者さんと一緒に頑張る気持ちが大切。
•まずは検診をしっかり受けることが大切だと感じた。自分がいつ乳がんになってもいいように、知識を身につけておく必要があると感じた。そして自分の周囲で乳がんになった人がいた場合には、その知識を生かして寄り添ってあげられるといいのではないかと思った。
•患者の思う良い看護師とは、尊厳をもって患者を看てくれたり、一人の人間として接してくれる看護師であることを知った。これらのことから、癌になってしまった患者は、ほかの患者よりも入院期間が長いため、患者の背景を知り、患者一人一人に対して、個別性を持った看護がより大切になると感じた。