2017年11月5日~6日 熱海後楽園ホテル
ワット会長の音頭取りで、日本全国の乳がん患者会に声をかけ、今後の患者会の在り方を検討する目的で熱海に参集。〈ぎんなん〉(大阪市大病院がん患者サポートの会)も早くからお誘いを受け、主旨に賛同、参加を決めていた。顧問医の高島 勉先生を含めて5人、他に大阪市内で活動するWorker & Cancer 代表の山本さんも誘って、熱海に向かった。
今回、参加を決めた理由は二つ
① 患者会の今後を考えるヒントが得られるのではないか。
② 40 年の歴史を持つ〈あけぼの会〉、多くの県に支部があり、独自の歩みを続けてきた会が、全国に合同会議を呼びかけた。そこに興味をもった。
がん患者会も様々なタイプに分けられる
・政策提言に中心をおくグループ
・患者支援団体
・純粋に現場で患者に寄り添うグループ、あるいは院内患者サロン等々
その中にあって〈あけぼの会〉は非常に特異な存在である。患者は医者の言うがまま、声を上げることが出来ない時代に、患者サイドに立った患者会を立ち上げ、今も第一線で活動を続けている。
40 年の活動の原動力は何?
ワット会長あるいは各支部を支える支部長のリーダーシップは勿論のことだが、もう一つ大切な要因がある。それは患者会の原点ともいえる、患者同士の「支え合い」だ。
患者会には様々なタイプがあると書いたが、どのタイプの患者会もそのスタートは「患者に寄り添う」ことに主眼が置かれていたと思う。
患者自身が立ち上げる、あるいは家族が立ちあげるにしても、自身の辛さ、あるいはがんと闘う愛する家族の辛さを見て、支え合いが必要と思い、立ち上げたケースがほとんどなのではないだろうか。
それがいつの間にか別の形に変わって行ったところも、中にはある。
2006 年がん対策基本法が制定された
結果、がん患者の医療は飛躍的に改善された。
日本各地に沢山の患者会が作られ、この2 〜3 年は病院内にも院内患者会が開催されるようになってきている。2017 年までの10年間は、まさに患者会設立の全盛期と言えるのではないだろうか。
そしてこの間に、はじめ緩やかに患者に寄り添った患者会も様々な形に変革を遂げていった。政策提言団体や、患者支援団体の活動により、がん患者の医療も大きく改善されたことは言うまでもない。
ただ残念なことにその中で、患者同士の「支え合い」を基軸とした患者会は減少傾向と言える。
それには、運営費の欠如、リーダーの考え方の変化等の理由はあるのだが、本来の寄り添いを期待した患者にとって、満足のいく結果は得られていないと云うものもあるのが現状だ。
あくまで「支え合い」を大事にして
〈あけぼの会〉は今は失われつつある患者同士の「支え合い」を軸として40 年を生き抜いてきた。 ここに〈あけぼの会〉の強さがある。患者会の主役は、あくまで、患者だ。まさに「人」の字のごとく、お互いを支え、支えられることによって希望や、自分らしさを見出していく。患者会の原点はここにあるのだ。 「あけぼのニュース147」に大松先生が書かれているように、〈あけぼの会〉は持てるノウハウの全てを生かして、他の患者会を巻き込んで、今は失われつつある患者会の原点を取り戻し、新しい患者会の融合を作り出していって欲しいと願っている。
この度は、事前の準備から当日の様々な対応まで大変お世話になりました。
2 日間の会議を通して感じたことは、患者会に携わっている方々が「自分自身が患者会によって支えられ元気になったから、他の乳がん患者さんにも元気になってほしい」という思いで活動されているということです。
その思いが行動力となっているのだと思いました。 2 日目のディスカッションの質疑応答を聞かせていただき、とても勉強になりました。
たけのこ会は、今年から新しい役員になりました。これからは、若い人達の力で新しいアイディアを出し合って、みんなで考え、不安や悩みを共に分かち合えるような患者会になればいいなと思っています。
今回、参加させていただき本当にありがとうございました。
〈あけぼの会〉は全国的に支部を持ち、40 年も続けてこられました。
このたび、会を立ち上げられたワット会長さんの若い人に負けないパワーを見て、大変驚きました。
ワークショップでは、グループに分かれて意見交換会をしましたが、皆さん、それぞれの会の運営やスタッフに苦労されているようでした。
〈笑美の会〉は、院内患者会ですが、実際参加する人は少なく、どうしたら人が集まるかが課題です。私が患者会に参加するようになって4 年が経ちます。
最初は治療を始めた頃で年配の人ばかりで話が合わないだろうと不安でしたが、諸先輩の話を聞いて、治療に対する不安が軽減できた体験を思い、会長になって2 年、まだまだ勉強不足です。
今回、みなさんの意見や2 日目の会議を聞いて大変参考になりました。本当にありがとうございました。