山下先生講演会20220731a日時:7月31日(日)13:30~16:30
会場:Zoom開催
参加: 30名 (会員  22名、一般  8名)

 ホルモン療法を専門としてこられた元北海道大学乳腺外科教授の山下先生に講演をお願いしました。分かりやすいスライドで下記のようなことを丁寧に説明していただき、とても勉強になりました。今回は日本大学医学部 腫瘍病理学分野教授の増田しのぶ先生も参加、ところどころ、病理医としての解説もしていただきました。

女性ホルモンが体の中でどんな役割を果たしているのか、エストロゲンは乳腺だけでなく子宮、骨、心臓、肝臓、脳の働きにもかかわっていて、ホルモン療法によっていろいろな影響があるなどの説明がありました。
くすりの副作用は遺伝子多型が関わっているとの報告もあるそうで、体質による。副作用でホルモン療法が続けられないような場合は他のホルモン療法薬に変更してみるのがお勧め。
乳がん診療ガイドライン2022年版ではホルモン受容体陽性乳がんの術後治療で、リスクが高い方にTS-1(保険適用外)やベージニオ(保険診療)が強く推奨されている。
ホルモン療法の治療期間は長いほど効果があると考えられる。10年以上についてはエビデンスがない。
その他、プロゲステロン受容体、閉経の判断、グレードやKi67、薬の耐性のお話やHER2低発現の転移乳がんにもエンハーツが有効なこと、経口SERD等、多岐にわたる興味深いお話を伺うことが出来ました。

 後半のグループトークでは両先生を囲んでいろいろなお話をすることが出来ました。コロナの感染急拡大のために急遽Zoom開催に変更して大変でしたが、とても有意義な会になったと思います。
                あけぼの神奈川 代表 牧野葉子 akebonokanagawa@gmail.com

【参加者からの感想】
この度は講演会に参加させていただきまして ありがとうございました。
 ホルモン療法を始める前に 今回のようなお話をお聞きする事ができ とても勉強になりました。薬を服用の副作用について心配と不安だけが大きくなっておりましたが、少し不安が薄れ、前向きな気持ちで治療を受けられそうです。
とても分かりやすかったです。私は閉経してからだいぶ経ちますが、検診のときいつも先生に体重を増やすなと言われていましたが、そのわけがわかりました。これからも体重増加しないよう気を付けたいと思いました。
ホルモン療法(アロマターゼ阻害薬)の副作用に悩まされているので、とても参考になりました。副作用は体質とのかかわりがあり、人によって様々であること。同じ作用の薬であれば、種類を変えてみて副作用が軽減できる可能性があることを知り、嬉しく思いました。
抗がん剤治療より「楽」、「副作用が少ない」と思われがちな「ホルモン治療」ですが、長期にわたる服用が必要です。副作用もその時々であります。なかなか相談できる場がないのではないでしょうか。今日は山下先生のご丁寧なご解説でホルモン療法と上手に付き合っていけるヒント、情報、疫学をしっかりと学ばせて頂きました。
 増田先生の病理のお話も勉強になりました。
乳がんと診断されたばかりで毎日不安でしたが、先生を始め、経験された皆様のお話も聞けてとても有意義でした。特に病理医の先生とは普段なかなかお会いする機会がないので、貴重なお話でした。お会いしてお話を聞くのももちろん良いですが、ズームの講演というのも、分かりやすく質問しやすかったです。
 こういった会を開催していただき、本当にありがとうございました。