全国のみなさん、こんにちは!
お元気ですか、と尋ねるのも、はばかれる日々が続いています。元気かと聞かれても、元気ってどんなこと?自分が元気かどうかもわからなくなってきた。いやですね、1年の半分近くが異常事態で過ぎて、精神も徐々に異常になって、国民総コロナ鬱。みなさん、これは、人間どこまで正気を保てるか、のテストです。テストに負けないようにしよう。東京は今日、日中は嘘みたいに晴れて梅雨の合間の日差しにうれし酔いしました。
大水害に被災されたかたに十分の救いの手が差し伸べられていないと聞きます。どうか 国を挙げてさっさとあの大量の家具ゴミなどを撤去して、気持ちに風が通るようにしてあげてください。こんな時ボランティアだけが頼りだとしたら、あまりに気の毒、悲惨です。
さて、みなさん、過日(6/19)この欄の「ジェニースからの手紙」の最後尾で田中薫さんという歌人の歌を紹介したのを覚えておられるでしょうか?そのとき私の疑問、「この歌人は乳がんで全摘したということでしょうか?」と書きました。それが何と、びっくりしないでくださいよ、7/12にご本人から直接メールをいただいたのです!驚いたのは私。
中略
「6月19日のワット様のブログで私の短歌を抽いて下さっているのを偶然拝見しました。『土星蝕』所収の――乳房ひとつぶん軽くなり乗る電車 澄みたる秋が車窓を流る―― という作ですが、ご拝察通り、乳がん全摘の後の歌です。退院の折、初秋の車窓がとても美しく見えました・・・・それから30年近くが経ち、今はお陰様で元気にしております。お名前は以前から存じ上げておりまして、パワフルなご活動に励まされておりましたが、この度は有難うございました」
私のあの書き方は少し乱暴だったのに、それには触れずに丁寧なメールをいただいて感動して、すぐにお返事を出しました。結果、歌集「土星蝕」と「短歌往来(June2020)」という月刊誌を送っていただいた。田中さんは第28回「ながらみ書房出版賞」を受賞されていて、「短歌往来」にはその記念の歌25首が掲載されている。この世界では高く認められた歌人で、歌も一句一句重みがあって、駆け出しの私は畏怖を覚えています。歌集はもちろん、ながらみ書房から出されているので、短歌に興味のある方はぜひ読んで、私に感想を送ってください。
それにしても生きていて、ご縁というは不思議なもの、【あけぼの会】の全国の会員さんとのご縁も熱くうれしく、前世から結ばれていたのではと思うほど・・それくらい深い縁を感じ、この田中さんとも「乳房ひとつ」でつながったご縁、縁は異なもの、とはよく言えりです。 ワット takakowatt@gmail.com
――歌集「土星蝕」より2首
漣のやまぬ心に降り立てり光ふる癌研有明病院
佐々木主浩に似たる主治医が完治告ぐ十八年を通ひ来て今