バンダナを被った木村先生を心から歓迎して<br>――どこへでも出張しますよ、と言ってます<br>(2022/6/19 撮影:玉利朱美)バンダナを被った木村先生を心から歓迎して
――どこへでも出張しますよ、と言ってます
(2022/6/19 撮影:玉利朱美)
昨日、いわきから朝7時発の電車で上京してくれました。7:45発でも間に合ったのに、早めに着いて、上野の‘森の美術館’や‘東京文化会館’に寄ってきたという行動家!いっときも無駄にしない。前夜は遅くまで外で飲んだとか、膵転移で、生きるか死ぬか案じている外野をよそに本人は涼しい顔で会場に着きました。駅まで迎えに出て、3年ぶりの10キロ痩せた人を探したのに、昔と変わらぬサイズで現れて、安心したというか…至って健康的。

一旦話が始まると驚きでみな吸い込まれてしまう。2002年、今から丁度20年前に34歳で手術して、以来、15年後に反対側、その時、同時に両方の卵巣がんも見つかり手術、一つずつクリアして行ったのに、2021年の人間ドックの腹部エコーで膵腫瘤を指摘され、検査の結果、膵臓と脾臓に4㎝の固まりがあることが判明、その手術。結局ポートの装着抜去も入れると計7回もの手術を受け、抗がん剤も究極までトライして、現在に至っている。(微に入り細に入りの詳しい経過は、ただ今作成中のニュースレターに掲載されます)

中学の先生なので、自分で上手にスライドに作り経過説明してくれたので、とても分かりやすかった。入院中にさまざまのトラブルが発生して、命にかかわりそうなハプニングもあったのに、当人は至って飄々と話すので、人間じゃない、と思うほど立派。今も1年間の病休中だが、休みに入る前に生徒に直接告げられなくて、黒板に長い書き置きをしたとか。生徒を目の前にしたら泣いてしまうからという理由。なんという人間味のある愛の心。

お話の後、一人ずつ、感想や質問を自分の近況も添えて順番に話した。これがまたとてもいい。とにかく話すことは自分のためにいいのです。木村さんもこういう機会に今までの孤独なきつい闘病の一コマ一コマを自分で思い出しながら話して聞いてもらう、これが身を救う。自分が偉かったことを自他ともに認めることでこれからの闘病の自信になる。これを確信して、この企画を考えた私、ちょっとエライんじゃない?

今回は県外からの参加もあり、栃木の栗原さん、千葉の藤平さん、神奈川の大倉さん、ありがとう。昔、朝日ホールでカメラ下げて走り回っていたあの人が木村さんだった、とみなが気付いて感動でした。あの頃あんなに元気だった、懐かしいですね。初参加の新入会員さんが4cmのしこりがあったのに手術を受けずホルモン剤だけ受けていて、手術しない理由が「温泉に行きたいから」と。みな、あんぐりでしたが、今は何でも自由意志という結論。

「怖いもの知らず」と言いたい。ではなぜ【あけぼの会】に入会したのだろう?単純な疑問。この会はそんなに生易しくない。感染率が最も高い東京で細々ながら講演会、体験発表会を続けています。兵庫の川野代表ではないですが、「がんは待ったナシ」ですからね。がん患者のための【あけぼの会】、コロナなんぞにめげずに活動開始しましょう。実は次々と活動予定お知らせが入っていて、力強く誇らしく思っています。応援しています。