遂に肝臓が耐えられなくなった――ありとあらゆる薬剤を試して 

ワット会長とUさんの電話相談での長い会話より
  (2013年手術、しこり・3センチ、がん研有明病院、術後7カ月で再発)

しこりが大きい方だったので、術前にホルモン療法(フェマーラ)をすることに。
6ヵ月後、しこりは一旦2センチに縮まった。しかし、手術時にはまた元の大きさに戻っていた。全摘手術。
いろんな人に聞いてみても、術前化学療法はあってもホルモン療法をした話は一度も聞いたことがなかった。

この術前ホルモン療法が実は‘治験’で、オファーを受けた際、受ければ、術後の薬の効き具合がわかるといわれたので、いまどきはこういうのが主流なんだ、と感心して、治験に参加した。
術後の病理結果は三角(抗がん剤治療が必要か否かが明確ではない)だったが、フェマーラは続行することにした。
それが、全く効果がなかった。「全摘もしたし、リンパ節にも行ってないといわれたのに」

当時は働いていたので、職場復帰して明るく仕事をしていれば、治って、元通りになる、と信じることにした。
ところがその後の定期検診で脇の下のリンパが2個も腫れていたのがわかった。
すぐにペット検査、すると、肝臓と骨に転移、肝臓がひどく腫れているといわれた。
思わず「先生、早すぎるでしょう?」と叫んだ。

そのとき、胸をよぎったのは、術前に放射線科の医師が注射でセンチネル検査の色づけを見たとき、「ちょっと色が薄いけど、これくらいなら、まあ大丈夫」と言った一言。
どういう意味だったのか?でもその時点では、リンパには何もないと出たので、それを前提に治療を始めた。
もし、あの時、リンパにも転移していたのだとして、それを前提に治療していたら、という思いがいつもあった。

本格的に治療(転移後の)開始
①パクリタキセルとアバスティン
副作用がきつく、鼻血が出たり、末梢神経をやられて一時は歩けなくなって、足はむくみ、靴が履けないので、       サンダルで通院した。結局途中で治療中止になった。
(パクリタキセルの副作用がきつくて私ががんばれなかった)。結果、何も効いてないことがわかった。
②CEF を3ヶ月
吐いたりしなかったが、自分の生活が薬に支配されている、という感覚に襲われて、このままでは自分がダメになると感じ始めた。腫瘍マーカーはどんどん上がる一方だった。
③エルブリン(ハラベン)
これといった副作用はなく、楽だった。自由に動けた。しかし、またも効いてないことがわかった。
腫瘍マーカーが上がり続けて、2ヶ月に1回、CTを撮って調べた。
結果、肝臓転移の面積が大きくなっていた。
④そこで、アロマシンとアフィニトールに替えるが、またもマーカーは上がり続けた。
⑤今度はフェソロデックスに。CT検査の結果、肝臓の半分以上にがんが広がり、残っているのだけでは機能しないといわれた。   (続きは2017年1月15日に掲載予定です)

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