日 時:2024年4月28日(日)13:00~15:00
会 場:とちぎ健康の森 教室A
講 師:岡村幸重先生(佐野厚生総合病院副院長兼消化器内科主任部長、
慶應大学医学部内科学客員准教授)
参加者:25名(会員21名、一般4名)

 午前中(11時~)会員のみで総会を開き、その後ランチタイム。午後の〈あけぼのハウス〉が始まるまでの間、初対面の人や久しぶりに会った人も各々の会話が弾み、良き交流が出来ました。
 そして午後1時からの〈ハウス〉は今回初めて、消化器内科医の岡村幸重先生をお招きしての相談会でした。まず参加者全員に自己紹介をしてもらい、その後、先生に様々な質問にお答えいただきました。一部ご紹介します。

女性のがんで死亡1位は大腸がん。CT等の画像検査でわからないのは早期の大腸がんと胃がんなので、便潜血検査や胃カメラ検査が必要。40歳を過ぎたら、年1回便潜血検査、50歳を過ぎたら2年に1回は胃カメラを勧める。
2回の便潜血検査で1度でも陽性やプラスマイナスになったら内視鏡検査が必要。便潜血の再検査は勧めない。便潜血陽性で実際にポリープが見つかるのは2人に1人。がんが見つかるのは陽性の中の約3%程度なのでそれほど怖がることはない。日本のガイドラインでは、大腸ポリープが良性の場合は、2年続けて大腸内視鏡検査を施行しポリープが無ければ、3年以上は大腸癌の心配はない。但し、便潜血は毎年施行しましょう。がんでも早期なら内視鏡で切除可能。切除したポリープが大腸癌であり内視鏡で完全に切除されていても、5年間はCTとセットで大腸内視鏡検査を。
ピロリ菌は、5歳頃までの幼少期までにしか持続感染しない。大人になってからは、ピロリ菌が胃に感染しても定着はしない。除去後、再感染する確率は約2%。日本人の胃がんの98%はピロリ菌が原因。また、ピロリ菌に感染した人が塩分を過剰摂取すると塩分依存性に胃がんが発症しやすくなる。長年胃に住みついて、胃粘膜の萎縮が進み過ぎるとピロリ菌が住めなくなり、検査上、ピロリ菌が陰性となる可能性もあり要注意。除菌もして胃の萎縮が強い人は胃がんのリスクは残るので年に1回の胃カメラを。

≪参加者からの感想≫
岡村先生のお話は、初めて耳にするお話も有り、ピロリ菌や高脂血症など年齢と共に気になる事、乳がんに限らない多方面のお話で、満足でした。また、初対面の方や久しぶりに会う人達も思いは同じなので 緊張もなく直ぐに打ち解けて、今、気になる事や趣味の話まで色々と発見もあり情報交換が尽きませんでした。
入会して初めての参加でしたが、みなさんと交流できて良かったです。岡村先生のお話しもわかりやすく、色々な方のお話しも聞くことができて有意義な時間でした。
内科医の視点からお話は大変参考になりました。また、みなさんが乳がん以外の病気に対しても関心を持って過ごされているのがよくわかり、治療で中断し諦めていたことを再び始めてみようかと思うきっかけを作ってもらえた気分です。ありがとうございました。