鮮やかな黄色の花がまぶしいレンギョウ街道<br>撮影:内藤貞夫(新潟県)2019/3/6鮮やかな黄色がまぶしいレンギョウ街道(新潟県新発田市)
撮影:内藤貞夫(私の夫です)2019/4/6
 新潟県がん教育推進協議会の委員をしています。県では小、中、高と学年に合わせた「がん教育」の準備を進めています。この3月に作成されたばかりの「学校におけるがん教育の手引」が私の手元にも届きました。

 2年前、高校2年生100名に外部講師として、モデル授業をしました。生徒たちは、1時限の保健体育の授業の後、私の30分の話をメモを取りながら、しっかりと聞いていました。そのあとで、生徒達は「どうしたら、受診率を上げることができるか」「社会全体でがん患者をサポートするにはどうしたらよいか」などグループで話し合って、「今日は検診の日と決めて、会社全体で検診を受ける」「がん患者さんが治療を受けやすいように、会社で休みを取りやすくする」「患者さんの仕事が大変な時は周りの人が助けてあげる」などの案を出しました。
 感想文では、私の話を本当によく聞いていてくれた、という実感でうれしくなりました。「大人になっても、たばこもお酒も飲みません」とか、「年齢になったら、検診を受けたいと思う」など。この年齢で、きちんとがんについての知識を身に付けることは大切だと思いました。

 実は、私は大人のがん教育ももっともっと必要だと思っています。知識がないために、がんと告知されたら、すぐに仕事を辞めてしまう人、がんになったらもう人生終わりと思う人、ステージⅣの人はガリガリに痩せて寝たきり状態というイメージを持つ人、がんに罹患する人が二人に一人と聞いても、自分には関係ないと思っている人、などがまだまだいます。喫煙率もなかなか下がりません。また、芸能人のがんがテレビで放映されたりすると、急に不安になって、検診を受ける人が殺到します。そのせいで、早期に治療が必要な人が待たされたりする弊害が出てきています。

 【あけぼの新潟】では、乳腺専門医はじめ医療関係者の方々と2007年から「ピンクリボンホリデー」というイベントを行っています。マンモグラフィ検診車を用意して、住民検診を受けてもらい、乳がんに関する講演会を開くイベントです。最初は乳がんの検診率向上のために始めましたが、今では幅広く乳がんの知識を広める講演会になっています。ところが、あまり集客できないのが悩みです。参加者は乳がん患者さんが半数以上、肝心の検診を受けてほしい世代の女性たちが足を運んでくれません。  先月、新潟県のがん登録(平成27年標準集計)が公表されました。乳がんの場合、がん検診・健診・ドックで発見された人の5年生存率は100%に対して、それ以外で発見された人は86.6%です。これを知ったら検診を受けたくなると思うのですが、みんなが知っているか、定かではありません。

 乳がんのみに限らず、広くがんの知識を持つことは命の問題ですから大切です。知識を持つことでがん患者への偏見もなくなるでしょう。それには私たちがん患者が、がんになった後も‘誇り高く美しく’生きている姿を見てもらうことが絶対と思います。
 みなさん、イベント会場に足を運んでもらうには、どうすればいいのでしょうか。いいお知恵があったら、教えてください。    内藤桂子 akebono.niigata@gmail.com

●レンギョウ街道
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   花言葉は「希望」です。