4月は【あけぼの会】年度更新の月です。会費の振込と一緒に全国の会員さんからの近況報告が届いています。「術後30年。この間ワットさんの言葉に励まされ、感謝の気持ちでいっぱいです」「ワットさんの笑って長生き、楽しみにしています」「新事務局の皆さん頑張って」「あけぼのNEWSありがとう」など、温かいエールに元気を頂きました。
中には、「再発の治療中、副作用もあるけれど普通の生活が出来ています。美しい桜と今年も出会えて嬉しいです」「再発治療11年、現在、パージェタ、ハーセプチン、ハラヴェンの3剤併用をスタートし副作用にまいっています。上手く乗り切りたい」「5月からイブランスカプセル+ホルモン剤を始める予定。同じ治療中の方、おられませんか?」など、再発治療の切実な様子が書かれているかたもおられました。
再発治療のお薬(抗がん剤やホルモン剤)の副作用は、対応が大変ですね。特に、新しい治療薬に変わるときの不安は大きく、「同じ体験をしている人の情報が欲しい!」という思いは切実だと思います。
先日、【あけぼの福岡】で、「安心して薬物療法を受けるために~副作用を知ろう~」というテーマで講演会を開催しました。講師は緒方憲太郎先生(福岡大学薬学部准教授/病院副薬剤部長)。先生から「副作用のない薬はない。副作用の予防法・対処法がある薬(吐気・嘔吐)はわずか。効果と副作用を天秤にかけて治療を行う」など、具体例を示しながらお話をいただきました。
ポイントは、副作用には重症度評価『グレード1~4(以下G1~G4)』があり、G3、G4の副作用は「重症」で投薬中止の基準となる、ということでした。例えば、皆さんよくご存じの「好中球減少」のG3は1000~500/μL、G4は500/μL以下。このような場合は休薬して回復を待つことになります。
また、副作用の予防、対処法が困難な「末梢神経運動障害(手足先のしびれ)」は、G2は、字が書きにくい・箸が使いにくい、G3は、歩けない・物をおとすなどの症状です。このような場合は、生活の質(QOL)を考慮して、G2でも休薬や中止を検討するとのことです。
患者は、症状・質問はメモにして医療者に正確に伝えることが大事です。それにより、医師は副作用の程度を知り、安全な投薬を検討できるそうです。医師とのコミュニケーションが何より大切と力説されました。
私達は、ともすれば、医師の前では、緊張して言い忘れることがあります。是非、質問だけでなく、お薬の副作用のこともメモして持参されるといいでしょう。それは、あけぼの会が目指す『賢い患者』になるための心がけの一つだと思います。 深野百合子 akebonofukuoka@gmail.com
●おねがい
イブランスカプセル+ホルモン剤で治療をされているかた、お話を聞かせていただけませんか?
事務局までご連絡をお願いいたします。 akebonokai.since1978@gmail.com