日本でみんなが待っています <br>   ――やさしい秋の花を送ります <br>(撮影:前田こずえ 2021/11/2)日本でみんなが待っています
――やさしい秋の花を送ります
(撮影:前田こずえ 2021/11/2)
一昨日
13日に拉致被害者家族の「国民大集会」が都内で開かれ、岸田首相も出席した。そこで、「私の手で必ず解決しなければならないと強く考えている」と述べた。しかし、まあなんと薄っぺらな宣誓なのだろう。誰が相手の話かよくわかっての発言なのか疑いたくなる。勿論国民の誰もが拉致は絶対許せなくて、特に横田めぐみさんのことを思えば、世の母親はみな涙を流す。ご両親は生涯を娘の帰国を願って、世に訴える運動に費やして来られた。他の家族も悲しみは同じ。そんなせつない家族に伝える言葉として、余りに空しい。

「必ず解決」「私の手で」この言葉が家族に希望を与え、少しの慰めになっただろうか。否、軽過ぎて、却って傷付けることになったのではと憂う。今までの経緯を見よ、一部の人たちだけ送り返して、それでおしまいにされてしまっている。新首相は少なくても前首相より健康そうに見えるので、期待していたのがこの一幕でがっかりした。軽くて薄っぺらくて調子のいい人。では何と言えばよかったのだろう? 知りたいのは、どれだけの誠意を持って、解決に向けた具合策をいっときも休まずに真剣に考えてくれるのか、だろう。

思えば、10月は「乳がん月間」だった。この習わしをいち早くアメリカから取り入れて、日本でもスタートさせたのは誰あろう【あけぼの会】だった。アメリカに本社のある世界的有名な化粧品会社・エスティ・ローダー社の副社長Mrs.エビリン・ローダーの発案で始めた著名な建物や観光地をピンクにライトアップする画期的な構想で、乳がんの啓発メッセージを送った。今で言うBreast Cancer Awarenessの始まりであった。東京は最初、東京タワーから始まったが、スカイツリーができるとすぐに交渉して、そこでも実現させた。

昨年からコロナの影響からか東京ではライトアップの話が聞こえない。2000年に始めて、当日は会の講演会とディナーパーティをした。東京タワーの真下のプリンスホテルでのパーティはゴージャスだった。全国の会員さんがお洒落をして、ご馳走を取り合いっこして、楽しかった。あの一夜の再現はもうないだろう。秋の夜長に昔を思い出して、懐かしくてたまらない。パーティはともかく「乳がんの早期発見」は念仏の如く、唱えていかなければならない。ここで私たちは私たちなりの誠意と真剣さを見せなければなるまい。  takakowatt@gmail.com