燃え立つ木々を眺めて(岡山県総合グラウンド)<BR>撮影:宮本絵実(2021/11/20)燃え立つ木々を眺めて(岡山県総合グラウンド)
撮影:宮本絵実(2021/11/20)
私たち乳がん患者は、長い年月、そうとは知らずに自らの体内で乳がんを育ててしまったという苦い経験を持っています。 その反省から、早期発見の啓発活動をしてきました。しかし、検診受診は、忙しさや家庭の事情で後回しにされることが多いのです。検診の重要性は誰もが知っています。ではなぜ後回しにするのか。
どんなに検査方法が進んでも、本人自らが検診を受ける気にならなければ何事も始まらないのです。受診へ後押しする別のファクターが必要なのではないか。

そんなことを漠然と考えているときに、あけぼのハウスで、診断を受ける前の自分たちの不思議体験話が出ました。何年も前に一回だけブラジャーに小さなしみがあったり、片方が湿っていたり不思議だったと。片方の乳房だけ時折激しい痒みに襲われていて、そういえば、手術をしたあと、一度もかゆみは来ない。あれは一体何だったのだろうか。いろんな話が出ました。
共通するのは、その時誰も病院に行こうとは思わなかったことです。 誰からもそんな話を聞いたことがなかった、だから自分の変調に結びつけることをしなかったのです。 少しでもそんな話を聞いたことがあったなら、病院にもっと早く行っていたのに! 
他の人はどうなのだろう。例が集まれば形になるのだろうか。自分の変調を自分で気づくヒントになればいいな。後押しのファクターになればもっといいね。
そんな気持ちで、2020年アンケート調査を始めました。
ですから、問⑨,問⑩がこのアンケートの中心目的なのです。

2021年11月、結果報告書が完成しました。
回収率約40%、約570通分のまとめで、集計結果と自由記載とに分かれています。
集計結果データは、あけぼの会ネットワークHPにて公表いたします。←クリック
自由記載は、県代表の方のところに冊子で若干ですがお送りします。
よろしければ、どうぞご覧ください。

悲しいご報告もしなければなりません。
報告書刊行にあたり当初からご協力いただいた島根大学医学部看護学科教授の

若崎淳子先生が、この11月18日未明にお亡くなりになりました。56歳でした。
婦人科系のがんで発見が遅く、残念で残念でなりません。
調査に対して深いご理解をいただき後押しをしていただきました。
患者たちへのご厚情に厚く御礼申し上げ、心よりご冥福をお祈りいたします。

                2021年11月吉日 あけぼの岡山 代表 宮本絵実